この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
Part 2 では「維持費を抑えるにはプリペイド携帯電話が有力」と書きましたが、
このページでは具体的に各社のプリペイド携帯電話サービスを比較していきます。
なお、以下では NTT ドコモを比較対象から外しています。
というのは、NTT ドコモのプリペイド携帯電話「ぷりコール」は、
3000円のカードの有効日数が30日、つまり維持費が最低月3000円であり、
全然安くない(通常契約のほうが安い)からです。また最近、NTT
ドコモはプリペイド携帯電話を廃止する準備を進めている、
という報道があったため、この点でも検討対象から外すのが妥当でしょう。
特にことわりのない場合、以下は首都圏についての情報です。
地域ごとに料金やサービス内容は若干異なることがあります。
Pj スタンダード | ボーダフォン プリペイドサービス |
プリケー | プリケー ロング |
ぷりペイド | |
---|---|---|---|---|---|
電話会社 | vodafone (東海のみ) |
vodafone | tu-ka | tu-ka (関西のみ) |
au(KDDI) |
最も有利な カード金額 (利用可能額) |
3000円 (3200円) |
3000円 (3000円) |
3000円 (3300円) |
3000円 (3300円) |
10000円 (10000円) |
上記カードの 有効日数 |
90日 (**)270日 |
60日 (**)240日 |
60日 | 360日 | 365日 |
30日間の 最低維持費 |
1000円 (**)333円 |
1500円 (**)375円 |
1500円 | 250円 +初回登録料 12000円 |
822円 |
通話料金 | 80円/1分 | 60円/1分 | 10円/6秒 (1分100円) |
10円/6秒 (1分100円) |
10円/6秒 (1分100円) |
短いEメール送信 | 6円/1通 +月450円(*) |
6円/1通 | 10円/1通 | 5円/1通 | 送信不可 |
長いEメール送信 | 15円/1通 +月500円(*) |
15円/1通 | 10円/30秒 +月200円(*) |
送信不可 | |
短いEメール受信 | 月450円(*) | 無料 | 無料 | 受信不可 | |
長いEメール受信 | 6円/1通 月500円(*) |
6円/1通 | 10円/30秒 +月200円(*) |
受信不可 | |
Web もどき | 利用不可 | 利用不可 | 15円/20秒 +月200円(*) |
利用不可 |
(*) の料金は2つ以上重複して支払う必要がありません。
機能により料金が異なる場合には、一番高額な料金を払えば全機能を使用可能です。
(**) は「発信・着信とも可能な期間」と「着信のみ可能な期間」を合算したもので、
完全な着信専用電話と割り切った人はこの日数・金額となります。
また、上表でいう「Eメール」とは、
他社の携帯電話やパソコン等とやりとりする電子メールのことを指します。
(同系列の携帯電話間で送受信するショートメッセージサービスは、
より緩い条件で利用できます。)
表だけでは分かりにくいので、以下に選択する際のポイントをいくつか示します。 「自分がどれだけ携帯電話から発信するのか」 「どのくらいの期間にわたって利用するのか」などを意識して、 じっくり比較してみてください。
表には出てきませんが、Part 2 でふれたとおり、
初期費用が会社によってかなり異なることは覚えておく必要があります。
2004年9月現在、上の表の中では、au
の「ぷりペイド」がダントツで初期費用最高値で、私が Web
で探してみた限り、10000円は下らない(というより20000円に近い)ようです。
そのぶん高級な電話機が手に入るようですが、Eメールも EZWeb
も利用不可ではあまり意味がない気もします。
vodafone と tu-ka は、それぞれ5000円程度で始められるようなので、
初期費用では互角といっていいでしょう。
携帯電話の販売価格は「水物」ですし、
世の中には飛び抜けて安い店もあるでしょう。
業界に詳しいわけでもない一個人の調査には限界があります。
ここで紹介した価格はあくまで「私が発見できた限りの情報」にもとづいたものです。
価格をもとに何らかの決断を下す場合、
実勢価格は読者のみなさんが自分で調べて、納得したうえで決めてください。
そして肝心の最低維持費ですが、
ちょっとややこしい「プリケーロング」が圧倒的に安く(詳しくは後述)、次点は
au ですがこれは初期費用が高そうなので、vodafone(東海)の「Pj
スタンダード」を次点と呼んでもよさそうです。
残る2つは維持費が最低でも月1500円で、
これならプリペイドでなくても何とかなる価格です。
事実、NTT ドコモの(通話先限定でない)PHS
の最安値は(通話料が別ながら)月1350円+税ですから、
まったくの着信専用で利用するには、月1500円は高いといえます。
また、完全な着信専用でいいと割り切るなら、維持費が「プリケーロング」に近く、 初期費用も安い「Pj スタンダード」、あるいは次点の「ボーダフォン プリペイドサービス」が俄然有利です。
表の中で最低維持費がずば抜けて安いのが、
tu-ka(関西)の「プリケーロング」です。
「買ったときからプリケーロング」という電話機もあるそうですが、
これは価格が相当高いようなので、
ここでは通常の「プリケー」を「ロング化」する場合を考えます。
表から読み取れた人もいるかもしれませんが、
「プリケーロング」は、
通常の「プリケー」を買ってきて12000円以上の料金を登録し、
「ロング化手数料」12000円を一気に引き落としてもらうことで得られるサービスで、
「ロング化」以後に登録したカードから、
3000円で360日という「ロング」な有効期間になります。
(なお、手数料12000円はあくまで手数料であり、通話料としては使えません。)
このプリケーロング、「ロング化」完了後は最低維持費が非常に安いものの、
12000円が手数料として消えてしまうので、
「ロング化」するなら長期間利用しないと損です。
単純計算なら1年8カ月使うだけで他社を抑えて最低維持費が最安になるものの、
登録した料金のほとんどが「ロング化手数料」に消えるので、
ほとんど発信はできないことになります。
もちろん、カードを新たに買ってくればその分は電話をかけられるわけですが、
あまりひんぱんに通話料を補充するようだと、
ロング化する意味がないことになります。
3000円カードを最初に4枚登録すると、利用可能額は3300×4=13200円、
有効期限は使用開始から60×4=240日後となります。
12000円以上の残高をキープして240日後に「ロング化」を行い、
以後は3000円のカードを360日ごとに登録します。
これが「維持費最安」のパターンです。
この場合、最初の240日間の維持費は月1500円ですが、
最初から240+360=600日間の維持費は平均すると月750円、
さらにもう1年(2年8カ月)使い続けると月563円…と、
維持費の平均は徐々に下がっていきます。
ただし、このパターンでは通話に使える料金はほとんど残らず、
通話料の補充のためにカードを追加購入することになるかもしれません。
そして、追加購入の枚数がかさめば、
他社のほうが結果的に安上がりということもあり得ます。
携帯電話といえば、
今や音声通話よりもメールのほうが利用頻度が高い人もいると思いますが、
ことメール機能に関しては、各社に大きな差があります。
au の「ぷりペイド」は、今どきの携帯電話でありながら、
メールの送受信ができません(au どうしの「Cメール」のみ可能)。
他方、vodafone や tu-ka はメールが使えるのはもちろん、
「短いものなら受信無料」というありがたい制度になっています。
ただし、vodafone(東海)の「Pj スタンダード」では、
月450円のオプションをつけないと、
パソコンなどを相手にしたEメールの送受信が(たとえ短いものでも)できません。
また、tu-ka では長いメールの送受信に月200円の基本料金が必要ですが、
これを支払うと「プリdeEZ」というコンテンツサービスも利用できるようになります。
プリペイド契約で「Web もどき」が利用できるのは今のところ tu-ka だけです。
すでに紹介したとおり、tu-ka や「Pj スタンダード」では長いEメールの利用などに基本料金が必要ですが、 この基本料金は通話料と同じように「登録した通話料金」から引かれるので、 最低維持費には直接影響しません。 毎回、通話料金を使い切る前に有効期限がきてしまうような人にとっては、 余っている通話料金を活用できて好都合です。
最後に通話料金について。vodafone が他社より安いように見えますが、
実際にはそうとも限りません。vodafone
は短時間通話が高いことに注意する必要があります。
tu-ka と au では、通話料金は6秒ごとに10円となっています。
6秒で電話が終われば10円、30秒なら50円です。しかし vodafone
は1分ごとに60円ないし80円ですから、6秒でも30秒でも1分でも、
料金は同じ60円か80円です。
もちろん長電話をすれば vodafone
のほうが安いのですが、「今帰る」の一言だけでも、
電波状態が悪くてすぐに切れても1分話したのと同額というのは、
実際のプリペイド携帯電話の使い方を想像すると、
他社よりむしろ高いといえるのではないでしょうか。Pj
スタンダードだと1回あたりの最低通話料が80円なので、
週3回塾に通っている子供が毎回1度電話するだけでも、
月1000円程度になってしまいます。