この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
平成電電の直収サービス「CHOKKA」に、実際に加入してみました。NTT
の加入電話からの「乗りかえ」です。
CHOKKA 加入者のうち、NTT からの乗りかえというのは最も多いパターンでしょう。
同様のことを検討している人は参考にしてください。
2003年12月、総務省がいわゆる「電話加入権」の段階的廃止を検討し始める旨、
一部メディアで報道がありました。
加入電話は以前からじり貧である上、
最近では基本料金が高いかわりに施設設置負担金の不要な固定電話を NTT
自身が用意していて、加入権相場は下がる一方でした。
今回のこの報道で、最悪の場合加入権の「紙切れ化」があり得ると判断した私は、
手元にある余った加入権1回線分をなんとか売り払いたいと思いました。
しかし、実家の別宅で使っている NTT 固定電話(ISDN
ではなく一般の加入電話)の加入権が知人からの「借り物」であったため、
これも同時になんとかしようという話になり、最終的に「NTT 固定電話 から
CHOKKA に乗りかえて空いた1回線分を知人に返却、
もともと空いていた1回線を売却」という方針がかたまりました。
以上のような事情だったので、加入権売却と CHOKKA への乗りかえは直接は関係ないのですが、 乗りかえと同時に加入権を売り払おうと思っている人もいるはずなので、 このページの最後に記録をまとめておきます。
検討していた当時は「CHOKKA」という名前はまだなく、 「平成電話」という名前だったのですが、この文書では「CHOKKA」で統一します。 当時の「平成電話」のサービス内容は現在の「CHOKKA」とほぼ同じです。
1月半ばに平成電電から申込書を取り寄せ、母が必要事項を書きました。
申込書に「NTT の回線休止扱いが云々」と書いてあったので、
事情のよく分かっていない母は「もくろみどおり加入権がフリーにならないのでは」と混乱したようですが、
番号ポータビリティ(同番移行)を申し込まない限り、NTT
の加入権は不要になるというのが正解です(詳しくは後述)。
1月末に申込書を郵送して正式に申し込んだところ、すぐに回答が来て、
新たな電話番号が決定。すでに NTT
の電話が引かれているので宅内の工事は不要で、開通日が2月17日と決定しました。
そして実際、2月17日には「音もなく」開通していたようです。
気になる工事費は1万円弱だったと思います。
そこが重要じゃないか!と言われそうですが、
当時は必要だった「平成電電に支払う工事費」が現在は不要なので、
いちいち母に確認をとって調べても意味がないと判断しました。
平成電電の Web ページで調べる限り、現在、NTT
に支払う工事費等は税込みで計3360円のはずです。
今回、電話番号は変わってもかまわないという条件だったので、NTT
の加入電話で使っていた番号を CHOKKA
に引き継ぐ「番号ポータビリティ」は申し込みませんでした。
そのため電話番号は変わりました。
「電話会社を変えても電話番号は変えたくない、
だから番号ポータビリティを申し込む」という人は多いと思いますが、
その場合でも手続きは特に煩雑にはなりません。
申込書に「番号ポータビリティを申し込む」と書けばいいだけの話です。
昔は追加で工事費がかかりましたが、現在では特に追加費用もかかりません。
ただ、NTT で使っていた番号をそのまま保持するためには、
今まで使ってきた電話の加入権を手放せないという点に注意してください。
今まで使ってきた電話番号は、ある特定の「加入権1回線分」と関連づけられていて、
この加入権を売り払ったり他に転用したりすると、従来の電話番号は使えなくなります。
(手放しても当座はだいじょうぶだが、地域内での引っ越しなど、
何かコトがあると番号が召し上げられてしまう、という話も聞いたことがあります。
詳細は不明ですが、番号が変わらないことに価値を感じるなら、
手放さないのが無難です。今や売り払っても数千円にしかなりませんし。)
加入権を手放さないことと、毎月
NTT に基本料金を払うこととは別です。NTT の回線を休止すれば NTT
の基本料金はかからなくなります。
そこで加入権を転用するかしないかで電話番号の運命が決まります。
ただ、これは番号ポータビリティを利用して他社に乗りかえる場合に限った話です。
単に回線を休止する(電話をまったく使わなくなる)場合には、
たとえ加入権を転用しなくても現在の電話番号は返上することになり、
利用を再開する際には以前とはちがう電話番号になります。
会社がちがうとはいえ、CHOKKA は(アナログ回線なら)NTT
の一般加入電話とほとんど同じ仕様のはず、
だから家では何も作業しなくていい…そう思っていたのですが、
実際には意外な差異がありました。
全地域かどうかは分かりませんが、少なくとも今回加入した回線では20PPS
が通らないのです。
これまで NTT では月390円を払ってプッシュ回線を利用していたのですが、
プッシュ回線専用のサービスを利用した実績がないのでこれを機会に見直し、CHOKKA
ではダイヤル回線(パルス)を選択しました。
このため、CHOKKA 開通後には電話機やモデムなどの設定を直さなければならず、
あらかじめ親には「電話機のスイッチを『PB』から『20』にするように」と言っておいたのですが、
いざ開通してみたらスイッチを「20」にしても電話をかけられず(着信は可)、
まさかと思って「10」にしたら通じたというのです。
この話を聞いて耳を疑いましたが、実際、約1カ月後に自分で試してみたら、
たしかに 20PPS では交換機が反応せず、10PPS
にして初めて反応がありました。交換機の仕様なのでしょうが、意外でした。
さすがに今やほとんどいないと思いますが、20PPS
専用のダイヤル式電話を使っている人は注意が必要です。
ダイヤル回線では、電話番号を交換機に伝えるのに、
電話線の回路を短い間隔で切ったりつないだりしています
(その副作用として「ブツブツ音」が聞こえることがあります)。
この際、回路を開閉する速さの単位が「PPS(Pulse Per
Second)」で、日本の電話では 10PPS(1秒に10回開閉)、
20PPS(同20回)の2種類が使われています。
現在のほとんどの電話機・モデムは
10PPS にも 20PPS にも対応していますので、設定を 10PPS にすれば CHOKKA
でも使えますが、20PPS にくらべてダイヤルに時間がかかります。
この差はあくまでダイヤル時に限ったもので、ダイヤルし終わったあとは
10PPS も 20PPS もプッシュ回線もまったく同じです。
モデムの通信速度などには影響しません。
開通後、両親が使うぶんには特に問題もないようでしたが、
それは決まったところにしかかけていないから。
世の中には NTT の固定電話からなら通じるが、CHOKKA
からでは通じない電話番号があるのです。それがどの程度あるのか、Web
では情報を得られませんでした(2004年3月現在)。
そこで、2004年3月、実際に CHOKKA
からいろいろなところに電話をかけてみました。
結論からいえば、「0120」「0800」から始まる無料通話はほぼOKだが、
それ以外の特殊な番号はダメなものが多いようでした。
この節の情報は古く、現在は事情が異なります。 「こんな時代もあった」というメモ代わりに残してあるだけですのでご了承ください。
現在では、平成電電の Web ページに「つながるかどうかの情報」が載っていますので、そちらを参照してください。 かかる番号がけっこう増えてきています。
具体的には、以下の番号に実際に電話をかけてみて、反応を見ました。
結果の意味は「○=つながった」「▲=常に話し中」
「▼=この番号は現在使われておりません」
「×=このサービスのご利用はできません」で、
○以外は相手につながらなかったことになります。
相手の番号 | 結果 | 備考 |
---|---|---|
0088-82 | ▲ | 日本テレコム総合窓口 |
0088-22-8900 | ▲ | 日本テレコム FAX 案内 |
0088-24-0088 | ▼ | 日本テレコム法人窓口 |
0077-7111 | ▲ | KDDI 総合窓口(au) |
0077-7058 | ▼ | KDDI 音声案内 |
0081-151 | ▲ | 東京電話コールセンター |
0180-993900 | × | JR東日本運行状況 |
0570-047-999 | × | OCN 全国共通AP |
0190-104-104 | ▼ | 電話番号検索 |
0120-719-019 | ○ | 東京電話コールセンター |
0120-981-408 | ○ | 日本テレコム法人窓口 |
0120-380-622 | ○ | フュージョン Com. FAX 案内 |
0800-200-0039 | × | NTT 西日本マイライン窓口 |
0800-abc-defg | ○ | 電話設置場所付近の通話先(複数) 広く知られた番号ではないので 具体的な番号は非公開とした |
表の上半分は「上4ケタが新電電各社の識別番号」の無料通話番号ですが、
反応はまちまちながら結果は全滅でした。
この手の番号は主に電話会社自身が使っていますが、
一般企業でも使っているところはあり、かからないと不便なことがありそうです。
次の「0180」で始まる番号は、NTT Com.
の提供する「テレドーム」という音声案内サービスです。
電話をかけると決まった音声がテープで流れるというもので、
例に挙げたのはJR東日本の運行状況案内ですが、これもつながりませんでした。
その次の「0570」で始まる番号は、NTT Com.
の提供する「ナビダイヤル」という転送サービスで、例に挙げたのは OCN
の「全国共通アクセスポイント」ですが(全国どこからでも、
この番号にかければ最寄りのアクセスポイントにつながる)、これもダメでした。
その下の「電話番号案内」はマイナーなので説明は略しますが、
同じくつながりませんでした。
これらの特殊な番号は携帯電話や PHS からもつながらない場合が多いため、
多くの場合、
「携帯電話の人のための代替番号(市外局番から始まるふつうの電話番号)」
が示されています。
この代替番号が分かれば、なんとか電話をかけることはできます。
「特殊な番号」が料金無料の場合には、
市外局番から始まる「ふつうの番号」にわざわざかけるのはもったいない気がします。
いっぽう、「特殊な番号」にかけても有料の場合には、CHOKKA
の通話料金が他社の市内料金より確実に安いので、NTT
の固定電話からかけるより安く済みます。
ダメな例ばかりが先行しましたが、
「0120」「0800」で始まる無料通話に関してはほぼOKでした。
「0800」はなじみのない人もいると思いますが、「0120」と同じ、
無料通話を示す番号です。
今回は、電話会社そのものにつながる番号を中心に試してみました。これは「NTT
以外の回線を使っていそうな無料通話にもつながるか」ということを確認するためですが、
表にあるとおり、ほとんどは通話可能でした。
唯一つながらなかったのが NTT 西日本のマイライン窓口なのですが、CHOKKA
がマイライン対象外であることから、
この番号だけ特別につながらないようにしていることも考えられます。
冒頭でもふれたとおり、CHOKKA の導入とほぼ同時期に、NTT のいわゆる「電話加入権」を業者に売却しました。 そのときの記録をかんたんにまとめておきます。
外に出歩くひまがなかったので、調査には Web のみを使いました。
年末には20000円超で買い取ってくれる店もあったのですが、
年が明けて相場の下落が進み、
1月中旬には20000円未満でしか売れない状態でした。
「通信販売」ならぬ「通信売却」のできる店も数多くあるのですが、
20000円弱とはいえ、怪しい店に売るのも気が引けたので、
結局は「本社が徒歩圏内にある電話会社」に「通信売却」することにしました。
ここでは具体的な名前は伏せますが、個人的には数年前から名前を知っていた、
そこそこしっかりしていそうな会社です。
加入権の売却時に必須なのは「休止票」と呼ばれる書類です。
文字どおり、電話を休止した際に発行されるものです。
これ自体は加入権の代わりにはならず、
単に「電話の再開や権利の譲渡に必要な情報が書かれた紙」なのですが、
加入権を扱う会社は必ずこれを求めてくるので、
紛失した場合には NTT(116番)に再発行を請求しなければなりません。
私はこの休止票をしっかり保管していましたが、あらためて見てみると、
最も重要な情報である「加入権の名義人の氏名」がまちがっていました。
具体的には、苗字の「葛西」が「葛井」となっていて、
このままでは名義人変更の際に引っかかることは確実です。
「誤字を直してくれ」と116番に請求したら、
すぐに新しい休止票が送られてきたものの中身は直っておらず、
再度請求したら「本人の確認できる書類を FAX
せよ」と言われてもう一度郵送されてくるのを待つはめになったのですが、
なんとか誤字は直りました。
今回のように単なる誤字ではなく、結婚などでほんとうに苗字が変わった場合、
旧姓を示すために戸籍謄本の写しなどを求められるのが一般的です。
その他、名義人の境遇により、
本人確認のために追加で必要になる書類があります。
休止票のほかに必要な書類は印鑑証明書で、
これを準備したのちに郵送で売却を申し込みました。
申込書は「社団法人全日本電話取引業協会統一用紙」という、
業界団体発行のものでした(用紙自体にシリアルナンバー入り)。この様式は
NTT の定めたものに「社団法人…統一用紙」という外枠をつけたもので、
外枠部分はなくても問題ない(NTT の Web ページからダウンロード可能)のですが、
外枠つきの用紙が出てくれば「業界団体に所属しているのでいちおう安心」
ということはいえると思います。
書類一式を郵送すると、数日後に無事、代金が振り込まれていました。
これで一件落着です。
ちなみに、売却金額は19500円でした(NTT へ払う手数料は自腹だったので、
実質的には19500−840円)。申し込んだ時点で売却金額は確定したのですが、
書類を用意している間にも買い取り価格はどんどん下がり、
2004年3月現在では11000円強、2005年7月現在では3500円となっています。
電話を休止した後、すぐに売却しようとすると断られる場合があります。
というのは未納の料金が残っている可能性があるからです。
電話加入権を譲渡すると、未納の料金を払う義務もいっしょに譲渡されるので、
このようなことが起きます。
通常なら、休止手数料(2000円+税)の払い込みが済んだ時点で、
未納料金はないことになります。