平成電電の直収サービス「CHOKKA」

[警告]この文書は長年更新されていません

 この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、 常に現状に追随することが期待されます。
 しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、 記載内容は現状に追随していません。 また、この文書を今後更新する予定はありません。
 したがって、この文書は本来の目的を達成していません。 最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、 本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
 以上の点を理解のうえ、お読みください。

Summary

 平成電電が直収サービス「CHOKKA」(旧名称「平成電話」)を開始しました。NTT との契約を休止(または解除)して、かわりに平成電電と契約するというもので、 頭に「00xy」をつけて利用する新電電各社のサービスとは根本的に異なります。
 NTT を経由しないぶん料金は安く、 固定電話へは全国一律3分6.8円、 携帯電話へは1分16.5円(いずれも税別)という破格の通話料金を実現しています。
 NTT との契約を休止(解除)することによるデメリットもありますが、 いわゆる電話加入権が不要、既存の NTT 加入電話から移行する場合には現在の電話番号を使い続けられるなど、 個人にも利用しやすいサービスといえます。
 ただ、NTT の加入電話サービスを利用しないことによるデメリットもあるため、 この点をよく理解して申し込むことが必要です。

 すべて1ページで説明すると長くなりますので、 このページでは「CHOKKA」を導入すると料金やサービスはどう変わるのかを中心に説明します。

公式 Web サイト

1字ちがいで大ちがい

 まぎらわしいのですが、会社名は「平成電」、 この会社のやっているサービス名「CHOKKA」の旧名称が「平成電」です。 混乱しないように、しっかり頭に入れてください。

詳しくは別文書で

 「CHOKKA」がどういうしくみになっているのかという点に関しては、 別のページ「『CHOKKA』のしくみはこうなっている」(執筆中)を参照してください。
 また、実際に「CHOKKA」に加入してみた体当たり(?)記事「CHOKKA を導入してみた」も参考にどうぞ。


NTT を100%肩代わり

NTT の電話がいらなくなる

 CHOKKA の特徴は、平成電電が NTT の仕事を完全に肩代わりするという点です。 この点が、頭に「00xy」をつける各種のサービスとは根本的にちがいます。
 「完全に」肩代わりするのですから、冗談抜きで、NTT の加入電話を解約してしまっていいのです。NTT の基本料金は不要となり、代わりに平成電電に基本料金を払います。

休止か解約か

 CHOKKA を利用する場合、「電話加入権」を売り払って NTT と完全に縁を切ることもできますが、加入権を手元に残したまま NTT の電話回線を休止するという選択肢もあります。どちらでも NTT の基本料金(NTT に月々支払う料金)は不要になります。
 この文書では前者を「解約」、後者を「休止」と呼ぶことにします。

おことわり

 この文書では、単に「NTT」と書いたときには「NTT 地域会社」をさしています。

見かけは何も変わらない

 といっても、新しい電話機を買って、家に新しい電話線を引いて、 新しい電話番号になって…ということではありません。 家にいると何が変わったかも分からないくらいです。
 電話の規格は NTT の加入電話とほぼ同じなので、アナログ回線の場合、 新たな電話機はまず必要ありません(ISDN は除く)。工事は電話局内で済みますので、家で配線をいじる必要もありません。 また、原則として電話番号は変わってしまいますが、1500円の手数料を支払えば、 NTT の加入電話で使っている電話番号をそのまま使えます。


破格の通話料金、そこそこの基本料金

基本料金

 CHOKKA の基本料金(全加入者に必須の配線保守料金60円を含む)は、 税別で月々1460円です(住宅用)。NTT の基本料金は電話局によって若干異なりますが、 都市部など最も高い「3級局」で1700円、 1ランク下の「2級局」では1550円なので、NTT よりは安くつきます。ただし NTT では、料金の明細を郵送しない(代わりに Web で見られる)サービスを行っており、これを利用すると3級局で1600円、 1・2級局では1450円となるので、CHOKKA が必ず安いというわけでもありません。
 NTT にも、基本料金と別に月60円の「屋内配線使用料」というものがあり、 これを加えると評価は変わってきますが、NTT の場合、屋内配線を買い取る代わりに月60円を払わないという選択もできます。 現状、自分の家がどうなっているかを確認するには、 月々の料金明細を見てみてください。

付加サービスは互角

 キャッチホンなどの付加サービスについては、NTT とほぼ同じ料金で提供されています。NTT 同様、プッシュ回線の付加料金は無料になりました。

通話料金

 国内にかける通話料金は、 相手が「CHOKKA」「その他の固定電話」「携帯電話」のどれかによって異なりますが、 それぞれ時間帯や距離によらない一律料金です(以下、料金は税別)。

 自分も相手も CHOKKA というのは現状では例外的なのでさておき、 その他の固定電話へは全国どこでも3分6.8円です。 このねだん、市内通話料金ではありません。 他社の市内料金よりはるかに安いねだんで、全国どこにでもかけられるのです。 多くの場合、今はやりのIP電話よりも安くつきます。
 また、何かと話題の「固定→携帯」料金ですが、これも1分16.8円と格安。 もっとも、課金が10円単位ではなく16.8円単位なので、 短時間の通話が多い人には向きません。

相手も入ればかけ放題

 「CHOKKA」の加入者どうしなら、 月300円の追加料金を支払うと「かけ放題」になる、 という太っ腹なオプションがあります。 ひところまでは通話先の数や通話時間に限定がありましたが、 現在では双方とも無制限です(もちろん、 自分・相手の双方が CHOKKA 加入者でなければなりませんが)。
 一昔前なら狂喜乱舞(?)したところでしょうが、 IP電話をかんたんに利用できる今、相手を CHOKKA に加入させてまで…という気はします。 ただ、使いかた次第ではおもしろいことができそう。

加入時に必要な費用

 CHOKKA では加入時に「NTT に支払う工事費」がかかります。 ただ、NTT の引いた既存の電話線があればそれを利用するので、NTT からの「乗りかえ」ならば、休止手数料を含めて3000円強で済むはずです。
 特筆すべきは、新しく電話を引く際に「施設設置負担金」が不要ということ。 俗っぽく言うと「電話加入権」が不要という意味です。 もちろん工事費はかかり、 電話線のまったくない場所に新たに線を引けばそれなりの工事費にはなるでしょうが、 それは NTT でも同じです。
 なお、NTT から平成電電に乗りかえると、原則として電話番号は変わります。 ただし、特に申し出れば、無料で現在の番号をそのまま使い続けられます

電話加入権を売却?

 NTT の加入電話を CHOKKA に移行すると、NTT の「休眠回線」が1つできるので、未使用の「電話加入権」が手元に残ります。 これを他人に売り払うことも可能です。 ただ、現在の電話番号を引き続き使いたい人は、 加入権を手放さないのが無難です(ここでは理由の詳細は略します)。


CHOKKA にできないこと

 NTT との契約を解除して困ることはないの?ということは誰しも考えると思いますが、 たいていの場合には困りません。ただ、NTT に依存した一部サービスは利用できなくなることがある、 言いかたを変えると「一部の特殊な電話番号にはつながらなくなる」ので、 その点は知っておく必要があります。

 この点に関しては平成電電から出ている情報がかつて乏しく、 実験までやったのですが、現在では平成電電から公式な情報が提供されています。

特殊機器にも注意

 以下で述べる制約のほかに、ホームセキュリティのように、 電話線に通常の電話機以外の機器をつないでいる場合には、CHOKKA への移行ができない場合があります。 心当たりがあれば事前に確認したほうがいいでしょう。

xDSL

 まず、最も影響が大きそうなのは xDSL(ADSL など)です。CHOKKA にすると、平成電電の ADSL サービス以外は利用不可になります。

3ケタ特番

 3ケタの特番に関しては CHOKKA の Web ページに情報があるので、最新情報についてはそちらを参照してほしいのですが、 2005年7月31日現在では、たとえば「110」はOK、 「119」は一部地域がNGとのことです。 「119」に関しては近日中に全域で対応するとのことですが、現時点では、 119を回しても救急車が呼べないことがあるほど「ふつうじゃない電話」ということです。

中継接続・マイライン

 頭に「00xy」をつけて好きな電話会社を選ぶ「中継接続」について、平成電電の Web ページには何も書いてありませんが、おそらく不可能だと思われます(実験未了)。 少なくとも「マイライン」からは離脱することになります。

その他、市外局番以外から始まるサービス

 実際に CHOKKA の回線から試してみたところ、 「0120」「0800」で始まる無料番号(フリーダイヤルの類)に関しては利用可能、 新電電各社の識別番号で始まる無料番号(たとえば「0088-xx-yyyy」) は一部が利用不可(かつては全然ダメでした)、 その他「0570」「0180」「0190」「0990」から始まる特殊な番号もほぼダメです。 (「0570」については、平成電電自身が提供する回線に限りOKとのこと。)
 まだ試していませんが、各社の通話カード類(たとえば KDDI のスーパーワールドカード、「0055」にダイヤルする)も利用不可能だと思われます。


まとめ

 料金的には申し分なく、今すぐに申し込みをおすすめしたいところですが、 (たいてい)家に1本しかない加入電話を NTT でないものにすると、最後に書いたような「利用できなくなるサービス」 をどうしても利用したいときに困ることになり、 この部分のデメリットがどの程度かは人によるでしょう。
 ひとまず「電話加入権が不要」という何にも代え難いメリットはありますので、 新たに電話を引こうという人は積極的に検討してよいでしょう。



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最終更新: 2005年 7月31日
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