u゛ノート
Windows、最近の使いかた

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 この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、 常に現状に追随することが期待されます。
 しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、 記載内容は現状に追随していません。 また、この文書を今後更新する予定はありません。
 したがって、この文書は本来の目的を達成していません。 最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、 本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
 以上の点を理解のうえ、お読みください。

Summary

 MS-DOS からの流れで Windows をわりと愛用している私だが、 全機能が網羅されたマニュアルを読んだことはないので、 使っているうちにだんだん「うまい操作法」が分かってきた。
 マニュアルから得た知識ではなく自分で発見した手法なので、 なんだか愛着があって、人に教えたくなってしまったので、 ここにまとめてみることにした。 知っている人には「あたりまえじゃん」と言われそうなものばかりだけど。


基本方針

 世の中には「Windows を便利に使うためのソフトウェア」というのが山ほどある。 が、ソフトウェアを新たにインストールすることは、一般に、CPU や HDD、メモリといったリソースを失うことでもあるので、 よほどの効果がない限りは新たに導入したくない。
 そこで、 ここでは「新たに何かをインストールする必要のない手法」を紹介する。


Windows キーの有効活用

 Windows が普及するにつれて、 キーボードには波打った「田」マークのキーがつくようになってきた。言わずと知れた Windows キーである。
 最初は「なんやこれ、スタートメニューが出てくるだけやんか」と嫌っていたのだが、 それは大きな誤解であった。Windows キーを押しながら別のキーを押すことで、いろいろな機能が得られるのである。
 この中で私が常用しているのは以下のとおり。これ以後、Windows キーを「[田]」と表記する。

 まだたくさんあるのだが、とりあえず私が覚えたのはこれだけ。 でも、これだけでもずいぶんちがうと思う。 特に「全ウインドウ最小化」はパニックモードとして便利だ。:-)

 もっとも、今では、[田] キーの最も基本的な機能である「スタートメニューの表示」も有用だと思っている。 詳しくは後述。


意外に使える、エクスプローラ

 VZユーザだった私は、MS-DOS から Windows に乗りかえた当初、 「ファイラーなしでは生活できない」と思って WZ Editor を買った。たしかに便利である。
 が、しかし、最近はファイラーも善し悪しだなと思う。

エクスプローラのファイル名補完ふう機能

 Windows でファイル操作をするソフトといえば「エクスプローラ」だが、 ファイルやフォルダの一覧にフォーカスを合わせて、たとえば [a] を押すと、a で始まる名前のファイルにフォーカスが移動する。 さらに、たとえば [a] [b] [c] と連続して押すと、「abc」で始まる名前のファイルにフォーカスが移動する。 この機能は Windows 標準のダイアログ全般で使えるが、慣れると tcsh のファイル名補完のように使えて非常に便利だ。
 これが DOS ふうのファイラーだと、操作したいファイルを選択するのは、 カーソルキーなどの「シーケンシャル」な方法になりがちだ(アルファベットキーには 「コピー」「移動」など別の機能が割り当てられている)。
 DOS 全盛期にくらべて補助記憶の容量が大幅に増加した現在、 1つのディレクトリに大量のファイルを置いたり、 ディレクトリの階層を相当深くしたりすることが増えている。 こういう状況では、シーケンシャルな方法はややもどかしい。 キーボードに抵抗のある人ならともかく、 アルファベットキーの位置が身体に染みついている人には、 一見すると回りくどい「エクスプローラ方式」のほうがかえって早いことも多いだろう。

ボリュームラベル、究極?の命名法

 これに関連した小ネタをもう1つ。ボリュームラベルの活用である。

 ハードディスクやフロッピーディスク、コンパクトディスクなどには、 ディスクそれ自体に名前を付けることができる。これをボリュームラベルという。
 このボリュームラベル、ハードディスクではあまり活用されていない。 FDやCDとちがって、ハードディスクはふつう入れ替えて使うものではなく、 パソコンを起動したら、いつもそこには同じハードディスクがある。 だから名前をつけて区別してもそれほど意味はなく、 たいていはパソコンを買ってきたときにつけられたままの名前のままになっている (たとえば「WINDOWS98」のような)。
 しかし、これを活用しない手はない。 たとえばCドライブに「WINDOWS」というボリュームラベルを設定すると、 エクスプローラでは「WINDOWS (C:)」といった表示になるから、前述のとおり、[w] キーを押すと、 この「WINDOWS (C:)」という部分(つまりCドライブ)にフォーカスが移動する。
 …何が言いたいかって?  ドライブレターと同じ文字で始まるボリュームラベルを設定することで、 キーボードを使った直観的な操作が可能になるのだ。 つまり、たとえばCドライブのボリュームラベルを「C」にしておけば、 エクスプローラでは「C (C:)」のように表示されるから、[c] キーを押すことでCドライブにフォーカスが移動するのである。 「C」が寂しければ「C-DRIVE」でも「CCCC」でも「CHIBUNE」でもいい。
 ボリュームラベルは、エクスプローラなどでドライブそのものを表示して、 プロパティを見ればすぐ変えられる。

 以上のくふうを組み合わせると、 たとえばエクスプローラを起動して「C:¥WINDOWS¥TEMP¥」に移動するには、[田]+[e] [c][Tab][w][i][n][Enter][t][e][m][Enter] などと、キー操作だけで可能になる。 画面の上では GUI の部品が激しく踊るわけだが、それを無視するなら、これはもう UNIX のシェルを思わせる操作感である。 ただ、その後のコピーや移動などが、マウスを使わないと煩雑というのがどうもね…。


ランチャーなんていらない

 世の中には「ランチャー」というカテゴリのソフトが多数存在する。 ひとことでいえば「アプリケーションの一覧を表示して、 クリックするだけでアプリケーションを起動できる」というもので、 たとえば機械オンチの人に「メールを読むときはここの『メールボタン』を押してね」 などと教える場合には便利である。
 しかし、キーボードに慣れてしまった人の場合、 アプリケーションを起動するのもキーボードで済ませたいと思うだろう。 そんな人にぴったりのランチャーは、実は、 「このボタンから始めます。」でおなじみのスタートメニューではなかろうか。

スタートメニューもキーボードで

 スタートメニューに限らず、Windows のメニューはキーボードでも操作が可能である。たとえば [Alt][f] と押すと「ファイル (F)」メニューが開き、以後の選択操作もキーボードだけで済む。 ここで、「ファイル (F)」の「F」には下線が引かれていて、これが「[f] キーを押すことで起動する」ことの証である。
 さて、[田] キーでスタートメニューを表示させたら、そこで [p] キーを押してみてほしい。すると「プログラム (P)」メニューが表示される。 「P」に下線が引いてあるので、これは想像はつきやすい。
 スタートメニューの隠れた(?)機能はここから先。 「プログラム」の中身が表示された状態で、たとえば [m] キーを押してみよう。すると、カーソルが「MS-DOS プロンプト」や「Microsoft Word」など、Mで始まる項目のところに移動するはずだ。 さっきエクスプローラでやったのと同じように、「プログラム」の中身では、 頭文字のキーを押せば望みの場所にジャンプできるのである。 ちなみに、Mで始まる項目が1つしかなければ、それが即座に実行される。

 このことを利用すると、 最低2キーで任意のアプリケーションを起動するランチャーが構成できる。

もしもスタートメニューが5項目だったら

 たとえば、プログラムメニューの中を整理して、以下のようにしたとする。

 「アクセサリ」「スタートアップ」はそれぞれフォルダで、 中にいろいろな項目が入っているのだが、選択しない限り中身は見えない。 したがって、[田][p] と押してプログラムメニューを表示したとき、見えているのは以下の5つだけだ。

 この段階で、アルファベットのキーを押すと何が起こるだろうか?  動作のしくみはさっき書いたので、答えはかんたん。

 ちなみに、「Microsoft Word」にカーソルが合った状態で [Enter] を押すと Microsoft Word が起動する。また、もう一度 [m] を押すと、現在のカーソル位置から下方向にMで始まる項目を探すので、 カーソル位置の下にあって頭文字がMの「Microsoft Excel」にカーソルが移動する。
 以上の現象を、 「キーボード操作だけでアプリケーションを起動する」という観点から見直すと、 以下のようにまとめることができる。

 [田][p][i] と、3キーを押せば Internet Explorer が起動するのだから、 これはキーボード操作形ランチャーと呼べるだろう。

 これを知ってしまうと、 もはや「マウスでデスクトップのアイコンをダブルクリックして…」 なんて気は起こらないし、まして、 リソースを割いて専用のランチャーソフトを導入しようなんて思わない。 一時期は便利に使っていた Windows98 の「Quick Launch」も、これを発見してから迷わず捨ててしまった。 タスクバーもデスクトップもすっきりして実によい。

こんなところもカスタマイズ可能

 …と、この文書の初版ではここで終わっていたのだが、 初版を公開した当日、職場でとなりに座っている人のPCをのぞいてみて、 さらなる改善案を思いついた。 自分の好きなものをスタートメニューの直下に置くのである。

 [田] キーを押して表示されるスタートメニューの最上層には、 「プログラム」のほか、Windows98 なら「Windows Update」が標準で含まれていると思うし、 インストールしたソフトによってはもっと別のものもあると思う。
 なんとなく「ここは一般ユーザはいじっちゃいけない場所なのかな?」 と思っていたこの最上層だが、実際には「プログラム」以下と同様に、 好きなものを置いていい。置いたものは [田] キーを押すとすぐさま表示される。
 ということは、たとえば以下のようなスタートメニューを構成すれば、 最短2キーで任意のアプリケーションを起動できる。

 ただ、「プログラム (P)」など、いくつかのアルファベットは予約済みなので、 2キーでアプリケーション一発起動を狙うには少し制約がある。 スタートメニューに最初から含まれている項目のうち、 不要なもの(たとえば「お気に入り」とか「最近使ったファイル」とか)のいくつかは、 たとえば「Tweak UI」のようなアプリケーションを使ったレジストリ操作で隠すことが可能である。

 …ということを追加して発見したのだが、 私はどうも「スタートメニュー直下に何かを置く」というのに抵抗があるので、 以下では「プログラム」の下だけをカスタマイズすることを考える。

各項目の命名にひと工夫

 実際のPCでは、スタートメニューにはあふれんばかりの項目があって、 望みのアプリケーションを探すのにも一苦労、ということがあると思う。 これを改善するには、項目数を減らしたり階層構造を作ったりするのも一手だが、 キーボード操作を前提とするならば、問題は数ではなく命名方法である。

 先ほどの「項目5つ」の例では、Mで始まる項目が「Microsoft Word」「Microsoft Excel」と2つあったので、[田][p][m] と押しただけではどちらを選択したのか一意に定まらず、即時起動はしなかった。 マイクロソフト製品をもっと多くインストールしてある環境では、 「M」で始まる項目がさらに多いことだろう。
 しかし、これらをそれぞれ「Word」「Excel」と改名したらどうだろうか。 W、Eで始まる項目がそれぞれ1つしかないので、[田][p][w] と押せば Word が、[田][p][e] と押せば Excel が即座に起動するようになる。つまり、 同じ頭文字で始まる項目を減らすよう命名するのがポイントである。
 また、当然ながら、漢字やひらがなで始まる項目名はキーボードで選べないので、 項目名はアルファベットで始めるようにするのがよい。
 スタートメニューの項目名は、 いくら変更してもアプリケーション本体に影響しない。極端な話、「Microsoft Word」という項目名を「一太郎」に変更しても、ちゃんと Microsoft Word が起動する。安心して名前を変えてよい(ただし「アクセサリ」 フォルダ以下は改名しないのが無難)。項目名を変えると、 そのアプリケーションを削除するときにちょっとした副作用があるかもしれないが、 あとで削除するようなアプリケーションは最初から導入すべきでない。

補足実験:Windows プログラミングの応用?

 Windows のアプリケーションを作ったことのある人なら、 たとえばメニューを作るときに「&F」と記述すると「F」の部分に下線が引かれ、 そのメニューが [f] キーに反応するようになる、というのを知っていると思う。
 この手法がプログラムメニューでも使えるかどうかを実験するため、 プログラムメニューに「Internet &Explorer」という名前のショートカットを作ってみよう (「&」はいわゆる「半角」に限る)。さて、何が起こるだろう?
 かんたんな実験なので、結果はぜひ、自分で確かめてみてほしい。 結果を見たら、下の「応用例」に新たな1項目を付け加えたくなるかもしれない。

応用例

 たとえば、以下のようなスタートメニューを構成すると、 よく使うものは3キーで、そうでないものは4キーで起動することができる。

 [田][p][s] と押したところで「Shonai (所内業務)」というフォルダが開き、 「Yukyu (有給休暇申込)」や「Schedule」といった項目が現れる。そこで [y] を押せば有給休暇の申し込みができるという寸法である。 アルファベットだと、ぱっと見たときに判別がしにくくて…といった向きは、 ここで示した例のように、後ろに漢字の説明を入れればいいだろう。

 ほかに、やや不安定なうえにキーストロークが5つに増えてしまうが、 以下のようなメニューの構成法もある。

 何?  さっき「項目名の頭はアルファベットにしろ」って言ったばかりだろう、って?  たしかに基本はそうなのだが、項目間の位置関係まで利用すれば、 [田][p][e][↓][Enter] という5キーで時刻表を起動できる。 何かの拍子に順番が狂うと困ってしまうので「やや不安定」と書いたのだが、 実際にはそれほど困ることはないだろう。

 この文書を公開した当初は、上記の例には「Internet Explorer」の下に 「Explorer」がなく、メニューは4項目だった。もし当初の4項目だと、[田][p][e] と押したところで Excel が起動してしまう。 やはり位置関係を利用するのはトリッキーすぎるのか。

 これで最後にするが、どうしても同じ頭文字のものをたくさん作りたい場合、 こんな手も考えられる(素直にフォルダを作るのが賢いと思うが)。

 Microsoft Word を起動するには [田][p][m][Enter] でいいとして、Mで始まるその他のアプリケーションはどうしよう?  答えはいろいろあると思うが、たとえば一例。

 複雑そうに見えるが、 ほんとうによく使うアプリケーションなら手が覚えてしまうはずだ。
 いくらでも階層構造を作れるうえにキーボード操作が可能で、Windows95 以降なら文句なしの標準装備、レジストリを汚さないし余計なリソースも食わない、 こんなスタートメニューは最強のランチャーだと思うのだが、どうだろう。



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最終更新: 2005年 3月26日
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