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Suica ポイント

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Summary

 2007年6月に「Suica ポイント」なるサービスが始まる。 今までなかったポイントがつくわけだから、 定性的には明らかに「より得になる」わけだが、 どの程度得になるのか、定量的に考えてみる。


Suica ポイントとは

 Suica ポイントとは、Suica 電子マネーを利用すると貯まるポイントで、 以下の条件をすべて満たすとポイントがもらえる。

 Suica をそれなりに利用するのであれば「ビューカード」は必携アイテムだが、 今回は「単なるビューカード」+「一般の Suica カード」の組み合わせではダメで、モバイル Suica か、「ビュースイカ」に代表される「クレジット+Suica 一体型カード」が必要となる。
 以前から「実質年会費無料」「ポイント還元率わりと良好」でおすすめだった 「ビックカメラ Suica カード」は、Suica 一体型なので Suica ポイントがつく。ますます魅力的なカードになったといえるだろう。

 なお、上記に該当する Suica を複数枚(台)持っている場合には、Suica ポイントは合算できる(1つの口座に貯められる)。


「名目還元率」≧「実質還元率」

 Suica ポイントは、登録した Suica で買い物をすると、その都度もらえる。ポイント付与率(還元率)は店にもよるが、 ほとんどの店が0.5%、一部の店(エキナカだと飲料自販機、ecute ぐらい)で1%となっている。
 以上はあくまで「名目還元率」であり、 実際に0.5%ないし1%のポイントがもらえるとは限らない。 公式サイトには「0.5%」「1%」と書いてあるわけではなく、 「200円で1ポイント」「100円で1ポイント」と書いてあるからだ。

 以下は推測だが、買い物の都度ポイントがつくということは、 ポイント計算は「買い物の都度、端数切り捨て」にならざるを得ないだろう。
 たとえば自販機で150円の飲み物を月に10本買う場合、 ポイントを1ヶ月まとめて算出してくれるなら15ポイントもらえるだろうが、 実際には「買い物の都度」ポイントがつくので「100円ごとに1ポイントなので、 150円でも1ポイント」という計算が10回繰り返され、 1ヶ月で10ポイントしか貯まらない、はずだ。 ふつうの飲料自販機ではまとめ買い(2本以上を同時に決済すること)はできないだろうから、 「100円で1ポイントだから還元率1%」などと考えず、 「飲み物1本ごとに1ポイント」と考えたほうがいいだろう。
 事情は他店でも同じだ。 エキナカ店舗で5000円も1万円も一気に決済する人はあまりいないので(ecute ならけっこう高い買い物もするか?)、 支払いごとの「端数切り捨て」はばかにならない。 「200円で1ポイント→0.5%還元」というのは「皮算用」だ。

 余談だが、今回、紳士服の「コナカ」が Suica ポイントに加入し、 しかも「100円で1ポイント」という太っ腹な還元率になっている。 一瞬「おぉ」と思うが、チャージ上限2万円の Suica でスーツを買うというのもどうかと思う。 「とりあえずスラックスだけ決済してください、 上着の分はすぐチャージしてきますから」なんて人が現れたりして。


年間いくら利用すればいい? −モバイルな人−

 一番の問題は、貯めたポイントを実際に使えるかどうか、 より具体的には「ポイントを特典に交換するには、 年間何ポイント以上貯めないといけないか」だ。

 モバイル Suica では、「100ポイント以上貯まれば、Suica に1ポイント=1円でチャージ可能」となっている。 また、ポイントの有効期間は翌年度末で、最長2年ということになる。
 以上を勘案すると、 ひとまず年間50ポイント以上というのが最低ラインになる。 自販機でジュース年間50本、あるいは、 「皮算用」を承知で金額に換算すると、キオスク等で年間10000円。 対象店舗を定期的に利用しない人にはちょっと厳しい気もするが、 コンスタントに利用する習慣のある人なら、ほとんどの人がこれを突破できるだろう。 特に、JR東日本の駅の中でしばしば飲食する人には容易だろうと思う。


年間いくら利用すればいい? −モバイルじゃない人−

 一方、モバイル Suica「以外」の人にはもう1つハードルがある。Suica ポイントを Suica にチャージするためには「ビューサンクスポイント」を経由する必要があり、 チャージには最低1000円分のサンクスポイントが必要だからだ。(モバイル Suica なら、Suica ポイントを直接チャージできるので、 以下の説明はあてはまらない。)
 長くなるので結論を先に述べると、モバイル Suica でない人も、Suica ポイントを年間50ポイント以上貯めればOKとなる場合が多い。Suica ポイントを年間50ポイント以上貯めようとすれば、 自然と、サンクスポイントは1000円分貯まるのだ。

ビューサンクスポイントとは

 「ビューサンクスポイント」はビューカード(JR東日本のクレジットカード) の利用高に応じて貯まるポイントだ。
 ビューカードから Suica にチャージを行うと、チャージ額の1.5%相当のサンクスポイントが貯まる。 ビューカードを持っている人が現金で Suica にチャージするのは愚の骨頂であるから、 以下では「チャージには必ずビューカードを利用する」と考える。
 そして、貯まったサンクスポイントは、1000円単位で Suica へのチャージができる(Suica 一体型のビューカードを持っている場合)。 ここまでは「Suica ポイント」の登場前からあるしくみだ。

Suica チャージはサンクスポイント経由

 モバイル Suica「以外」を利用している人が「Suica ポイント」を Suica にチャージしたいと思った場合、以下の手順をふむことになる。

  1. Suica ポイントをビューサンクスポイントに変換する
  2. ビューサンクスポイントを Suica にチャージする

 Suica ポイントはいったんビューサンクスポイントに変換されてから Suica にチャージされる。つまり、「Suica にチャージしたときに貯まったポイント」と「Suica を消費したときに貯まったポイント」は、いったん合算される
 チャージ時に1.5%、「Suica ポイントの貯まる店」で電子マネーを消費すると0.5〜1%のポイントが貯まるので、 「チャージ+消費」で合計2〜2.5%のサンクスポイントが貯まる計算になる。ただ、Suica ポイントに関しては端数処理で若干損をするし、 「1%貯まる店」の少なさを考えると、ポイント付与率は、 「チャージ+消費」の合計で1.5+0.5=2%程度と考えておくのが無難だろう。

ハードルは「年間25000円」?

 で、年間いくら使えばいいかという話にようやく入る。
 上記 2. の部分には制約があり、「1000円以上、1000円単位」でしか Suica へのチャージができない。 つまり、サンクスポイント(チャージ+消費)を最低1000円分貯める必要がある。 ポイント付与率を前述のとおり2%と想定すると、 1000円分のポイントを貯めるには50000円分利用しないといけない。 サンクスポイントの有効期限も Suica ポイントと同じく「翌年度末」なので、 年間25000円利用が最低ラインとなる。 週に何度も利用しないとちょっと厳しい。
 実際には、Suica ポイントをサンクスポイントに変換した時点で、 そのポイントに関しては有効期限が延びる(変換日の翌年度末まで有効となる)ので、 これをうまく利用するともう少しハードルは低くなるが、 劇的に楽になるというわけではない。

明細を断れば楽になる

 しかし、サンクスポイントを貯める方法は「チャージ」「消費」だけではない。 「ビューカードの利用明細を郵送しないようにする」という方法もある。
 ビューカードはクレジットカードだから、 利用すれば1ヶ月後ぐらいに「ご利用明細」が郵送されてくるわけだが、「明細は Web で確認するから郵送を省略してくれ」と宣言すると、 明細発行ごとにサンクスポイントを20ポイント(50円相当)もらえる。 年間240ポイント(600円相当)だから、2年間集めればこれでもう1200円分に達し、 「2年で1000円分」のハードルはあっさりクリアできる。 (ただし、ビューカードを利用しない月はそもそも明細が発行されないので、 2年で1200円分貯めるには、毎月ビューカードを利用するようにする必要がある。)
 この手法を使うという前提なら、ハードルは前述の 1. だけとなる。1. の変換行為は「Suica ポイント100ポイント以上」から可能なので、条件はモバイル Suica と同じ(年間5000円相当の利用)ということになる。

 なお、 サンクスポイントを貯めるには「JRの乗車券類その他を買う」という方法もあるし、 「電車に乗るために Suica にチャージする」というのもサンクスポイントの加算対象になるから、 サンクスポイント側の制約は上記よりもさらに緩い。

Type II カードは「年間25000円」必須

 最後に、「イオン Suica カード」に代表される「Type II カード」の場合、サンクスポイントの対象外となっているため、Suica へのチャージは「Suica ポイントから直に」、 つまりサンクスポイントを介さずに行われる。
 ということは、Suica ポイントを Suica にチャージするには Suica ポイントを1000円分貯める必要があり、前述の計算どおり、 年間25000円以上の利用が必須となる。ポイント失効を防ぐには、モバイル Suica、あるいは「Type II でないビュースイカ」を併用するのが無難だろう。



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最終更新: 2007年 7月 2日
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