この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
先日、大学の同級生(博士課程在学中)から学会誌を数冊送ってもらった。
中身はほんとうに学会誌だけなのだが、封筒を見ると580円分の切手が貼ってある。
もったいない…。
というわけで、ほんとに一発ネタ、「本を安く送る方法」。
ちょっと郵便に詳しい人なら「何を今さら」という話題ではあるけどね。
まず、どんな本にでも適用可能な方法として「冊子小包」というのがある。
なじみのない名前かもしれないが、少し前までは「書籍小包」と呼ばれていたもので、
こちらの名前なら知っている人は知っているかも。
冊子小包の詳しい利用条件はここでは省略するが、要点は以下のとおり。
本を送る場合に障害になる事柄はあまりないと思うが、 これだけでふつうの定形外郵便より安くなることがある。 料金は最後に一覧表形式でまとめるが、 100g以下だと逆に高いものの、250gを超えるとかなり安いのが分かる。
と、ここまではそれなりに知られていることなのだが、 さらに奥の手として、誤解されがちな「第3種郵便」を紹介しよう。 どのくらい誤解されがちかというと、当の私が数年前まで誤解していたという…
新聞や雑誌を買うと、隅っこに「昭和○年×月△日
第3種郵便物認可」などと書いてあることがあるが、
これを見て「あぁ、こんな伝統ある雑誌なのね」と感心して終わってはいけない。
「この本は第3種郵便物として送れます」という、非常に重要な表記なのだ。
「第3種郵便って、新聞や雑誌の発行者のための制度でしょ?
だったら一般人には関係ないじゃん」と誤解されがちな第3種郵便だが、
第3種郵便物に差出人の制限はない。
しかも最新号でなくてもOKなので、
実は「第3種郵便物認可」と書いてある雑誌や新聞は、たとえ古新聞、
古雑誌であっても、だれでも第3種郵便物として送れるのだ。
ただ、発行者が差し出すときには各種の割引料金があるが、
赤の他人が差し出すときには割引の適用はないので、
発行者とまったくの同条件というわけではない。また、送る際には冊子小包と同様、
中身が第3種郵便物であると確認できるようにするほか、
表面に「第3種郵便物」と書く必要がある。
この誤解が解けると、無限の可能性が開けた気になる…というのは言い過ぎだが、
かなりの雑誌類を割安に送れるようになる。
何せ第3種郵便は新聞・雑誌を大量に送る人のための制度だから、
料金の安さもはんぱではないのだ。
最低料金こそ50gで60円とそこそこの安さだが、
以後は「50g増えるごとに8円増」という破格の安さで、
500gで132円、1000gで212円と第1種郵便の3分の1程度の料金で済む。
ただ、第3種郵便物は1000g以下でなければならないという制約がある。
1冊だけ送るときにこの制限に引っかかることはないはずだが、
数冊まとめて送るときには注意しよう。
余談だが、この制約のため、
全国版の大型時刻表のページ数は現状以上に増やせないのだという。
最後に、ここまでに紹介してきた手段と通常の第1種郵便との料金比較表を載せる。 第3種郵便は50g刻みで料金が上がるので、一部は省略してある。
重さ | 第1種 定形外 |
冊子 小包 |
第3種 |
50gまで | 120円 | 180円 | 60円 |
100gまで | 140円 | 68円 | |
150gまで | 200円 | 76円 | |
200gまで | 240円 | 210円 | 84円 |
250gまで | 92円 | ||
500gまで | 390円 | 290円 | 132円 |
750gまで | 580円 | 340円 | 172円 |
1000gまで | 212円 | ||
2000gまで | 850円 | 450円 | |
3000gまで | 1150円 | 590円 |
冒頭に書いた「580円で送られてきた学会誌」、
表紙を見ると「第3種郵便物認可」だそうなので、
第3種で送れば最悪でも172円で済んだことになる(当時の料金では、
580円で送れる定形外郵便物の重さは最大750gだった)。
その後、同じ友人から学会誌を送ってもらう用事がもう一度あったので、
今度こそはと思って「第三種が安いよ」と教えたところ、
3冊の学会誌が116円で届いた。
350gを超えて400g以下なので、普通郵便なら390円、
冊子小包でも290円かかったところだ。めでたしめでたし。
なお、ここに書いた制度の詳細については、たとえば「Post@Sayopee.net−ためになる郵便ページ−」の中の「郵便講座」を参照してほしい。 「第3種郵便物ってどういう封筒を使えばいいの?」 「第3種郵便物ってポストに投函していいの?」という疑問はここであっさり解決。 (最初からこの URL を紹介すればよかったのか? ;-)