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新ノートPC選び

Summary

 そろそろ新たなノートPCを買おうと思っている。が、機種選定は意外に難航中。


要求仕様

単体で使えるサブノート

 私がノートPCに求めるのは、ひとことで言えば「単体で使えるサブノート」。 なんだか矛盾しているような気もするが、これには以下のような事情がある。

 1996年以来、出かけるときには常にノートPCを持ち歩いている。 毎日持ち歩くのでよく壊れ、たびたび買い替えているのだが、 そのうちにデスクトップPCを買う気が失せてきた。 そこまで金が回らないというのも大きい。 あまりにも機能を削ったものは別として、そうでなければ、 持ち歩きを前提としたいわゆる「サブノート」だけでも、 なんとか生活はできるものだ。
 現在メインで使っているノートPCは Panasonic の CF-B5R なのだが、これがそろそろ購入から3年を迎える。故障したわけではないが、 ある程度の余力を残しておかないとバックアップ機として使えないので、 新たなノートPCを買おうと思う。 もちろん、今度も単体使用を念頭においたサブノート機だ。

買い換えで何が改善されてほしいか

 CF-B5R に関する不満は、実はあまりない。 強いて言うなら比較的重いこと(1.53kg)、 トラックボール搭載なので厚いこと(ほぼ全域にわたり厚さ33.4mm)ぐらいだ。 厚さについては、そのぶん拡張性に富んでいるのでまだ許せる(Type II のPCカードを2枚差せるし、シリアル・パラレル・VGA を内蔵)。
 新たなマシンを買うにあたっては軽量化を重視したいが、 現状が1.5kg超なので、それほど極端に軽くなくても許容できる。 バッテリの持続時間は、現状が標準バッテリで3.5時間なので、 それを上回ればいちおうは許容。CPU パワーを使う仕事はあまりしないが、 それでも現用機を購入してから3年が経過しているので、 相応のパワーアップはしていてほしい。また、昨今は WindowsXP がデフォルトでついてくるので、これをまともに使うにはメモリが512MBはほしい。


目を付けている機種

CF-R2 / CF-T2 (Panasonic)

 CF-B5R の印象がいいので、当初は同じ Panasonic で決まりだと思っていた。で、予想どおり Centrino な新モデルが連休明けに発表されたので、 もう発売当日にでも買ってしまおうかという勢いだった。
 が、同時発売の CF-R2 と CF-T2、どちらにするかは悩ましいところだ。 スペックはあとで比較表にまとめるが、 現状(CF-B5R)より確実に小さい CF-R2、現状より少し大きいけど重さは CF-R2 とほぼ同じで拡張性が CF-R2 より少しだけ高い CF-T2、どちらも一長一短なのだ。

LJ500/6A (NEC)

 迷いはあるものの、Panasonic のを買うのは決定だな…そう思っていたところ、 ふと見た NEC の新モデルの中に「これは」というのが1つあった。Lavie J シリーズである。店頭モデルでいうと LJ500/6A。
 Panasonic の前述2機種よりたくさんメモリを積める、USB ポートが1つ余計についている、IEEE1394 のポートがある、 SDカードではなくCFのスロットがある…など拡張性に富んでいる一方、 バッテリは標準で4時間だし(CF-T2・R2 は5時間)、 重さは100〜200gほど重いしで、持ち運びに関してはやや見劣りがする。 またアーキテクチャもやや古い。
 最初は「持ち運びがダメなら意味ないじゃん」で片付けるつもりだったのだが、 調べてみると Panasonic に比べて妙に安い。枯れた Pentium III というのが功を奏しているのか。
 そのうえ、NEC のショッピングサイト限定ながら、BTO 形式で柔軟なカスタマイズが可能で、余計な添付品をほとんど捨てられる。 増設メモリや大容量バッテリなどのオプションも本体と同時購入ならかなり良心的な価格で、 定価よりかなり安く、全部ここで注文しようという気になる。Panasonic にもオンライン販売はあって、カスタマイズはある程度可能だが、 あちらは店頭販売よりだいぶ割高感がある。

一瞬考えたけど捨てたもの

 SONY、富士通の新モデルもいちおうチェックして、そこそこいいものは発見したが、 この2メーカーは自分の中でかなり印象が悪いのでパス。 多分に主観的なものではあるけど。


仕様比較

 頭の中を整理するため、仕様一覧を表形式で比較する。 スペックが同じところは省略。NEC のほうは BTO なサイトで自分好みにしてある。

CF-R2 / T2
(Panasonic)
LJ500/6A 改
(NEC)
SWA のコメント
CPU・2次キャッシュ 超低電圧版 Pentium M-900・1MB 超低電圧版 Pentium III-933・512KB NEC のほう、現行の約1.5倍というのは苦しいか。
チップセット・
システムバスクロック
855GM・400MHz CyberALADDiN-T / M1535+・133MHz Panasonic のほうが1世代以上新しいらしい。
メインメモリ PC2100
標準256MB・最大512MB
PC133
標準256MB・最大768MB
MAX まで増設したいので NEC 有利。
無線 LAN 802.11b 内蔵 なし 802.11b がいつまでもつか不透明。
あえて内蔵してなくていいか。
カードスロット
(PCカード以外)
SDメモリーカード コンパクトフラッシュ 将来性からいうとSDなんだろうけど…
いま便利なのは絶対にCF。
NEC にはSDカードリーダ標準添付。
USB ポート USB2.0×2
CF-R2 は2口中1口 USB1.1
USB2.0×3 さすがに3つもいらんという気はするが…
足りなければ HUB もあるし。
IEEE1394 ポート なし 1つ 先代 VAIO では使った試しがないけど。
外部ディスプレイ ミニ Dsub 15ピン
CF-R2 は専用コネクタ
ミニ Dsub 15ピン そりゃ絶対に標準がいい。
でも学生やめてから外部モニタを使ったことがない。
標準バッテリでの
航続時間
5時間 4時間 買った当初ならどっちでもいいけど…
へたってきても通勤1往復に耐えられるか?>NEC
外形寸法 T2: 268×210×26.1〜39.1
R2: 240×183×23.5〜37.2
バッテリ抜きで270×222×17〜21.8
バッテリ装着時の高さは35mm前後?
平らで広い NEC、厚みのある Panasonic。
ちなみに現行255×206×33.4。
質量 T2: 1070g
R2: 990g
1150g それぞれ80g差。うーん、悩む…
冷却用ファン なし あり なしのほうがうれしいけど…
私の通常使用だと回らないはず。
電源端子・入力電圧 Cタイプ、16V以上? Cタイプ、16V以上? タイプは ENAX 命名の端子種別。
実はどっちも同じっぽい。
OS WindowsXP Professional WindowsXP Home Edition NEC も+1万円で Pro にできるけど。
実売価格 200000円+税−ポイント10%
R2は約1万円安
156800円+税−ポイント8% オプション類含め NEC に割安感あり。
NEC のポイントは通販限定、3カ月有効。
予備バッテリ購入に回せば問題なし。

比較結果

 表形式にしてみたが、やっぱり悩んでいる。

 まず、処理速度の面で LJ500/6A に若干の不安が残る。現行の CF-B5R が Pentium III の600MHzなのだが、LJ500/6A は(超低電圧版となってはいるが)同じ Pentium III の933MHzでしかない。 3年で1.5倍ではムーアの法則に全然合致していない、と単純に心配になる。
 いっぽう、Panasonic の2機種は Pentium M の900MHzで、 同クロックの Pentium III とどの程度の差があるのかは不明ながら、Pentium III 側から見るとちょっと不気味な差だ。 この差がクリティカルになるアプリケーションは存在するだろうか?
 あと、メモリについては、512MBしか積めない Panasonic と768MBにできる NEC、立場が逆転する。この差がクリティカルということはないだろうか?

 うーん、あれこれ悩んだけど、スペック的にはこの問題だけなのかな。 あとは買ったあとに金を積めばある程度は解決できる問題だし。Panasonic の2機種を買う資金はあるのだから、高いほうを買ったほうが後悔しないかも。
 しかし逆に言えば、LJ500/6A を買って、安いぶんだけ早く現役を引退させるという策もある。 引退後、家に常駐しておくには LJ500/6A のほうが何かと便利そうだ。 情報通の某氏は「今はひさびさにアーキテクチャ激動の時代」と言っていたので、 枯れた技術で構成されたマシンで2年ぐらいしのいで、 新技術が一巡したころに買い換え、というのが意外に得策なのかも。

 などなど、悩みは尽きないのだった。どうしたもんかね。



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最終更新: 2017年 3月 4日
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