首都圏〜関西 ツアーバス体験記 (3)

Summary

 首都圏と関西を結ぶツアーバスに実際に乗ってみた記録の第3弾です。 今回選んだのはハーヴェストが企画・実施する「ハーヴェストライナー」 の3列シートです。 乗車日は2005年12月30日、東京(新宿)から大阪(梅田)まで乗りました。
 なお、ツアーバスに関する一般的な情報は、別の文書「東京・大阪間の格安バスツアー」にまとめてあります。


狙いすまして、発売直後に予約

 12月30日の夜行で帰省しようと決めたのは9月中。 昨年と同様、ツアーバスにしようと思っていた。 昨年は3列シート車が早々に満席になってしまい、 増便が出るまで予約できずに冷や汗をかいたから、 今年は出遅れないよう、各社の動向をしっかり見張っておくことにした。
 が、帰省や用務の利用者が定着してきたせいか、 各社とも年末年始の価格設定はかなり強気で、予約をちょっと躊躇した。 まず最初に予約したのは9月18日で、これは西日本ツアーズ主催のバスなのだが、 基本料金6300円に割増500円がかかって計6800円。 路線バスの定価と比較するとこれでも2000円近く安いのだが、 取消料など、もろもろのリスクを考えると割安感があまりない。 また、最大手のオリオンツアーは基本料金6200円に割増1000円がかかり、 実に7200円ときている。路線バスの学割運賃よりも高いこの価格では、 賢い学生は絶対に乗らないだろう。
 そんな中、伏兵が現れた。以前から低価格志向だったハーヴェストである。 秋から自社の企画・実施で3列シート車を走らせているのだが、 これが通常5900円、割増500円でピーク時でも6400円。 西日本ツアーズとの差はたかだか400円なのだが、 なんだかずいぶん安い気がする。
 また、ハーヴェストにはもう1つ、車両が新しいという魅力がある。Web で得た情報だが、ハーヴェストの3列シート車には「一部3列(プレミアムシート)、 残りが4列(リラックスシート)」という変則配列を採用した珍しい車両が使われていて、 これは1年ほど前、別の旅行会社がバスツアー用にわざわざ用意した (正確には「観光バス会社に用意させた」)車両の特徴とそっくりだ。 その「別の旅行会社」は、 この「変則配列の新車」を使ったツアーを秋以降は実施していないようだから、 おそらく「お下がり」がハーヴェストで使われているのだろう。 お下がりといってもまだまだ新車同然のはずで(詳しくは後述)、 他社のツアーバスで一般的な「路線バスのお下がり」とはだいぶちがう。
 そんなわけで、西日本ツアーズの予約をあっさりキャンセルし、 ハーヴェストの3列シートを予約した。 3列シートは9席しかないので、 他社以上に早めの計画とこまめなチェックが求められる。 私は予約開始直後に申し込んだが、予約したのは10月21日で、 西日本ツアーズより1カ月以上遅かった。

余談:カードで払って現金でもらう?

 余談だが、西日本ツアーズのほうをキャンセルしたところ、 予約時にはクレジットカードで決済したのに払い戻しは銀行振込になり、 振込手数料(315円)をとられた。
 クレジット払いならクレジットに返金というのが一般的だし(むしろ、 現金での払戻はできないという会社が多い)、 クレジットに返金すれば手数料はかからないはずなので、 クレジットへの返金を強く希望したのだが、 「当初予約時の代金請求を締めたあとにクレジットへ返金する(つまり、 カード会社の利用明細で「支払い」と「払い戻し」が別の月になる)ことは、 システム上できない」という不思議な理由で断られた。
 心情的には、こちらの都合で払い戻したのだから、 返金に関する手数料が利用者負担になっても文句は言えないと思うが、 理由が理由だけに何か釈然としない。


集合場所は意外に平穏

 さて、乗車当日の12月30日。 集合時刻は22時40分だったので、22時半ごろに新宿駅西口に行った。 昨年もこの場所からツアーバスに乗ったが、そのときはひどい混雑で、 受付を見つけるのも一苦労だった。
 しかし今日はさほど苦労しなかった。他社では、 都庁に向かって左側の歩道上「八十二銀行前」あるいは「東京三菱銀行前」を受付場所にしているが、 ハーヴェストの受付は都庁に向かって右側の歩道上「スバルビル前」で、 他社の客とほとんど混じらないのだ。どちらも公共のスペースであり、 こういうところの「縄張り争い」がどうなっているのかよく分からないが、 受付を見つけやすいという点では、ハーヴェストはいい場所を確保したと思う。
 ハーヴェストだけでも断続的に何方向かへバスが出ていくようで、 着いたときにはすでにハーヴェストの受付に列ができていた。 しばらく待っても列の長さはずっと一定なので、 受付時刻ぎりぎりに列に加わり、何事もなく受付完了。今回は Web で予約してクレジットで決済し、現地で予約番号を告げれば乗車可能なので、 最初から最後までペーパーレスだった。このへんの身軽さが安さの一因か。

待ち時間にツアーバス見物

 受付を済ませたが、バスは東京駅発なのでしばらく来ない。 しばらく行き交うバスを眺めていたが、 「猥雑」という言葉が適当で、見ている分には楽しい。
 特に、 「長野−名古屋−新宿−長野」という文字をペイントした年代物の2階建てバスは圧巻だった。 これもハーヴェストのツアーバスで、 長野の某バス会社の車両が、 長野から名古屋、新宿を経て長野まで、約18時間かけてぐるりと一周している。 名古屋・新宿間が夜行、その両端が昼行で、 実質的には各区間がそれぞれ別のツアーなので営業区域の問題が心配になるが、 「あくまで長野発長野着の1運用です」と主張するために件のペイントがなされているのだろうか、 などと想像する。
 蛇足だが、道路運送法第20条は、 貸切バスが「発地及び着地のいずれもがその営業区域外に存する旅客の運送をしてはならない」と定めている。 たとえば、 青森県を営業区域とする貸切バス会社が「東京発大阪着」のツアーの客を運ぶことはできないという意味で、 この規制から逃れるために首都圏に営業所を新設した貸切バス会社も少なくないし、 実はこれから乗るタイセイ観光バスも、 以前に営業区域の件でおとがめを受け、 東京都に営業所を開設している(中部運輸局の「一般貸切旅客自動車運送事業者の法令違反に対する行政処分等の公表について (平成16年7月分)」参照)。


破格の縦9列

 23時15分ごろだったか、受付の人がバスに向かって乗客を誘導し始めた。
 私の乗るバスは、ちょうど曲がり角の途中に斜め30度で停まっていた。 バスの先頭は横断歩道すれすれ。こんな無理なことをしないと停車できないのか。
 やってきたのは、予想どおりタイセイ観光バスの三菱ふそう車。 バスの車両には疎いのだが、エアロクイーンIだと思う。
 乗り込む前に座席表を見ると、私の席は6B。 3分の1の確率で窓のない真ん中の席になってしまった。 冬は窓側の席が寒いので通路側を好む人もいるようだが、 私は外の見える窓側のほうがいいので、あまりありがたくない。
 車内は東京からの乗客ですでに半分ほどの座席が埋まっていた。 前方5列が2+2の横4列シート、その後ろに1+1+1の横3列シートが3列続き、 最後部がまた4列という変則配置だ。

このバスの座席配置

1A 1B  1C 1D
2A 2B  2C 2D
3A 3B  3C 3D
4A 4B  | W |
5A 5B  | C |
6A  6B    6C
7A  7B    7C
8A  8B    8C
9A 9B 9C 9D

 私の席はちょうど4列席と3列席の境目で、 足は心おきなく伸ばせるものの、右前がすぐに通路なのでやや落ち着かない。
 と、そんなことはどうでもいい。驚くべきは、縦に9列しか座席がないことだ。 路線バスを含め、「横3列シート」では縦は10列というのがほとんどで、 格安のツアーバスで縦9列というだけでも相当お買い得だが、 このバスは横3列の「プレミアムシート」と横4列の「リラックスシート」が混在していて、 横4列のほうはシートピッチが他社の「のびのびシート」並み(測ったわけではないが、 おそらく900〜950mm程度)でしかない。 ということは、横3列の部分のシートピッチは尋常でなく広いことになる。 思わず定規を取り出して測ったが、約1200mmといったところだった。 鉄道でいえば在来線のグリーン車並みで、 バスの世界でこれほどシートピッチの広い座席はほとんどないだろう。 この広さのおかげで、 フットレストに足が届かないというぜいたくな悩みを抱えてしまったほどだ。
 座ってみると、シート自体もなかなかいい。 頭の部分に独立した枕状のものが固定されていて(上下にスライドはしないようだ)、 ここに頭を合わせれば寝やすそうだし、身体にわりとよくフィットする。

ハーヴェストライナー 3列プレミアムシート(シートピッチ) 3列プレミアムシート。ぱっと見たところそれほど広そうではないが、 座面の前後長さが45cm程度ということを考えて写真を見ると広さが分かる。 (なお、写真右側に見えているのは4列リラックスシート)
ハーヴェストライナー 3列プレミアムシート(シート自体) シート自体は、独立した枕が特徴的。フィット感はよかった。
ハーヴェストライナー 4列リラックスシート 前方の4列リラックスシート。シートピッチは「縦10列車」並みか。 横方向の狭さはいかんともしがたい。

 なお、予約サイトの残席数から見て、 最後尾(9番A〜D)は「3列プレミアムシート」ではなく 「4列リラックスシート」として販売されているようだ。 前5列は「2席+通路+2席」なのに対し最後尾は「通路なしで横4席」だから、 前5列より横に余裕があり、ここに当たればラッキーだ。 シート自体も前5列とちがい、 1席ずつ独立した「3列プレミアムシート」用を4つ配しているように見えた。
 また内装だが、蛍光灯2列の間に星空柄の青っぽい照明がついていて、 消灯後はこの青っぽい照明だけになる。なかなか美しい。

新車?中古車? 今夜のバス

 ただ、この車両、まったくの新車というわけではないようだ。 というのは、足元に「シート撤去跡」が見つかったから。 このツアーを実施するにあたってシートの配列を変えたのだろう。 夏ごろまで別のツアーで走っていたバスがたしか前方3列、 後方4列だったから、それと同じ車両なら、 前後のシートを入れ換えただけかもしれない。 (後日、「前3列、後4列」のバスが未だに健在であるような情報を得たので、 別の車両を新規に改造したのかもしれない。)
 その他、LED の行き先表示や「横浜230」というナンバーなど、 車両の新しさを感じさせるものがいくつかあったが、 行き先表示はあとから交換できるし、 ナンバーにしても登録場所を変えれば新しいものがもらえる。 車体の写真をまじまじと見てみたが、 エアロクイーンIの外見は10年ぐらい前からほとんど変化がないようで、 どのぐらいの年式の車両かは結局分からなかった。
 ただ、シートを含めた内装はかなり新しく、 これまで利用してきた他社ツアーの「3列シート車」と一線を画しているということは確かだ。 走行音も心なしか静かだったと思う。


隅から隅まで「夜行仕様」

 23時22分に乗客数の確認がとれ、24分に発車。 定員は29名だが、1席は空きのようで28名で発車。 定刻より30分近く遅い発車だが、新宿で特に手間取ったことはなかったので、 東京・新宿間の遅れを引きずったのだろう。 東京での受付状況がどうだったか分からないが、 想像するにこの遅れは恒常的なもので、 それを知っていながら、停車時間を可能な限り短くするよう、 新宿からの乗客を早めに集合させているのだと思う。
 新宿から関西方面だと、路線バスなら中央道経由のところだが、 このバスは山手通りから国道246号に入り、 23時41分、池尻から首都高3号線へ。東名経由で西へ向かった。 高速に入ると消灯され、前方のカーテンもきちんと閉まる。 ふつうの観光バスだと運転席と客室の仕切りカーテンがないことも多いが、 わざわざ専用のバスを用意しただけあって、しっかりできている。
 ルートを確認したところで早々と眠る準備に入る。シートピッチが広いので、 リクライニングをかなり倒しても後ろの人に圧迫感を与えない。 最大まで倒しはしなかったものの、最近乗った中ではかなり深く倒した部類に入る。
 高速に入ったのでシートベルトを締めようと思ったら、 ベルトの受け側がビニール袋を被ったままで驚いた。 シートが新しいことは分かるが、それにしても数カ月は走っているわけで、 その間だれもシートベルトを締めていなかったのか、と。 これを読んでいる人には、自分の身を守るため、 シートベルトを積極的に着用するようおすすめする。

 0時55分、愛鷹PAで最初の休憩をとる。 住所は沼津市で、首都高に乗ってから約112km。 この間を74分で走っているから平均の速度は90km/h、順当なところだ。
 ここで運転手さんが交代したようで、 発車間際に床下からトランクの閉まる音がしたから、 乗務員休憩室は客席の下にあるのだろう。 こういった休憩室も一般的な観光バスではほとんど見かけず、 夜行バスに特化した設備といえる。
 15分ほど休憩したのちに走り出し、次の休憩は4時00分、養老SA。 約275kmを2時間50分ほどで走ったので平均速度は97km/hで、 やや速い気もするが、法外というほどでもなかろう。 ここでは、同じハーヴェストのスタンダード便のほか、 商売敵の〔ドリーム号〕とも並んだ。
 15分ほどでまた走り出し、気付いたらもう京都市街を走っていた。 5時47分に京都駅着。3名が下車した。

ハーヴェストライナー 一部3列車

 さらに一眠りしていると、気付いたときには名神高速を降りていた。 路線バスと同じルートで大阪駅に北からアプローチし、 6時50分、ヨドバシカメラと阪急梅田駅にはさまれたあたりで降ろされた。 定刻は7時00分だから若干早いが、 夜行便で10分早着は定刻どおりといっていいだろう。
 バスはさらに USJ を目指すが、大晦日とあって、 乗り通すのは先頭に座っていた2人だけのようだ。


総合評価:安いのに「お上品」

 3列シートのツアーバスに乗るのはこれが5回目ぐらいだと思うが、 「こんなに上品でいいのか?」というのが今回の感想だ。
 新しい車両を使っているというのは事前に調べたとおりだが、 前述のとおり、広さが尋常ではない。 シート自体もなかなかよくできていて、広さとシートを総合すると、 専用シート+付加サービスで割増料金をとっていながら縦10列の 〔スーパードリーム号〕(路線バス)より快適なのではないかと想像する。
 その他、トイレつき(今回は利用しなかったが)、 前面カーテンありといったところも夜行の路線バス並みで、 車齢に関しても明らかに高いということはなさそう。 ハードウェアの面で路線バスに劣っていることはないと感じられた。 読書灯や備え付けの毛布があったかどうか確認しなかったが、 もし実際にないとしても小さな問題だ。
 これまで、3列シートのツアーバスは「路線バスのお下がり車両を限界まで使う」 のが大前提だと思っていたが、このツアーはそれがない。 これで他社ツアーより高いならともかく、 今回のツアーは他社より逆に数百円安かったわけで、 現状では他社ツアーを選ぶ理由が見当たらない。

広すぎて困ることはないけれど…

 以下、余計なおせっかいだが、 なぜここまで広さにこだわっているのか、私にはちょっと理解できない。
 縦9列という余裕のある配置のせいで、 バス全体での座席数はわずか29席でしかなく、 これは縦10列で全席横3列(ただし最後尾のみ4列)でも実現できる定員だ (最後尾も3列にすれば28席)。 また、今と同じ「横3列と横4列の混在」にしても、 横3列シートをもう1列(3席)増やすという選択は大いにあり得る。 狭くはなるものの、これでようやく他社と同レベルのシートピッチになるだけであり、 ほとんどの人は満足する快適さだと思う。
 現行の座席配置では、満席になったときの料金収入は(3列席6400円、 4列席5400円の繁忙期価格として)165600円。 これをオール3列席(定員28)にすれば179200円、 3列・4列混在で現在より3席増(定員32)とすれば184800円となり、 いずれも現在の収入を上回る。利益率で比較するとかなりちがってくるはずだ。
 3列と4列の混在については、 「トイレ必須だが安さ重視の人」「とにかく広さ重視の人」をちょっとずつ乗せる 「ポートフォリオ戦略」と考えれば理解できるが、 縦9列の件に関しては、正直、オーバースペックではないかと思う。 かりに「あと3席増やす代わりに料金を安くする」 という選択肢があれば私はそちらを選ぶし、 「席数を増やしても埋まらなければ意味がない」というのであれば、 「満席になった場合に限り『大入り袋』(次回乗車時に使える割引券500円程度) を進呈します」といった還元方法もあると思う。


路線バスと比較すると?

 最後に、路線バスと今回のツアーバスを比較してみる。

 まず価格に関しては、このツアーのほうが圧倒的に安い。 ただ、取消料が高いという難点はある。
 次に快適さだが、車両に関しては、 私の感覚では今回のツアーバスのほうが路線バスより快適だと思う。 路上で乗降したり、集合場所で30分ほど待たされたりという欠点はあり、 この点まで含めると路線バスのほうが快適かもしれないが、 許容できない欠点でもないし、差額を考えればその程度はがまんできる。

 あとは、目に見えない「安全」あたりだろうか。
 ツアーバスの低料金を支えているのは、 バスや人員の効率的な運用もさることながら、本質的にはバスの運行コストそのもの、 つまり「旅行会社がバス会社に払う運賃」が安いことだと思う。 これに関して、ツアーバスに批判的な向きからは「安値のしわ寄せが運転手にいき、 過労で安全運行が脅かされている」という声が挙がっている。
 しかし、これをもって即座に「観光バスは危険」「路線バスは安全」とは言い切れないし、 ツアーバスの事故率が路線バスより高いという客観的データも、 私の知る限りでは存在しない。
 結局、利用者が「観光バスは路線バスより相対的に事故率が高いかどうか」 「観光バス(あるいは路線バス)の絶対的な事故率は十分低いかどうか」 という2点を自分で判断し、その結果、 問題ないと思った人がツアーバスを利用すればいいのだと思う。 私個人は、相対的な事故率については「観光バスのほうが高い『かもしれない』」、 絶対的な事故率については「十分低い」と考えていて、 事故に遭遇したら運が悪かったとあきらめることにして、 しっかりシートベルトを締めて乗っている。

異常時に分かる?スタッフ数の差

 今回はスムーズに走ったので特に意識しなかったが、 地上のスタッフが路線バスより少ないという点も、 異常時には大きな差となる可能性がある。
 これを書いている2005〜2006年の冬は猛烈に寒く、 雪で高速道路が通行止めになるということがしばしばあった。 これに関して、運休時の連絡が来なかったとか、 何の連絡もないまま乗り場で1時間以上待たされたとか、 ツアーバスでもいろいろあったようだ。
 路線バスだと、主要な乗り場にはバス会社の窓口があり、 夜行バスの発車まで人が常駐しているところも多いが、 ツアーバスだと乗り場に旅行会社のオフィスがあるということのほうが珍しい。 また、ツアーバスの緊急連絡先は携帯電話となっている例が多く、 乗り場で受付をやっている人が応対するのだと思われる。 相対的に貧弱な体制と言わざるを得ない。

 ただ、こういった体制が一朝一夕に変わるとも思えないし、 そもそもこういう身軽さが安さの源泉なのだから、 利用者の側はそれを納得のうえで利用し、何かあったら自衛するしかない。
 運休が疑われるような天候なら自分で確認すべきだし(路線バスだって、 急に運休になっても乗客一人一人に電話なんてかけてこないと思うが)、 始発でない乗車地では待ち時間を覚悟しておいたほうがいい。 そして、翌日に重要な用事があるのなら、 そもそも定時性に疑問の残る長距離バスを(路線、 ツアーにかかわらず)利用すべきではないと思う。



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最終更新: 2006年 2月13日
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