「青春18きっぷ」とは、
JR全線の普通列車に1日乗り放題の乗車券が5回分セットになったものです。
たとえば5人いっしょに使えば1日で一気に使い切ることもできますし、
1人でちまちま5日間使うこともできます。
利用期間内であれば、たとえば毎週土曜に1回ずつ使うなど、
利用する日が飛び飛びになってもOKです。
青春18きっぷは常に売られているわけではなく、春、夏、冬の年3回、
学校の休暇に合わせて発売されます。
利用期間は各シーズンともそれぞれ1カ月半程度で、1枚(5日分)11500円です。
青春18きっぷの1回分は0時から翌日の0時まで有効です。
ただし列車の中で日が変わるときは、
日が変わってから最初に停車する駅まで有効です。
また、東京・大阪の都心近く(電車特定区間)に限り、
0時を過ぎても終電までは前日のきっぷが有効です。
一方、他の区間と同様、0時を回れば新しい日付のきっぷも有効になります。
このきっぷの特長はとにかく安いことです。
1日あたり2300円で、いくら乗っても同額なので、
遠くまで行けば行くほどお得です。
快速列車などにも乗れますし、夜行の普通列車も少数ながらあるので、
1日あればけっこうな距離を移動できるものです。このきっぷによる東京〜大阪の移動は意外に人気があります。
さらに安い小児用…はありません(大人と同じものを使うしかない)。 青春とはそういうものです(謎)。学割もありません。
まず、各シーズンの「発売期間」「利用できる期間」は以下のとおりです。
これはあくまで過去の実績であり、次のシーズンもこの期間になるとは限りませんが、
少なくともここ10年ほど変化はありません。
「発売期間」と「利用できる期間」が異なることに注意してください。
特にシーズン最後の10日間は、
きっぷが利用できるのに新規に買うことはできないので要注意です。
青春18きっぷには日付を記入する欄が5カ所あり、1カ所が1回分に対応します。 きっぷを使う日には、改札か車内で人数分の日付印を押印してもらいます。 日付が入っていないと、きっぷを持っていないのと同じことになりますので、 無人駅から乗るとき、夜行列車に乗るときなどには、 できるだけ早く日付を入れてもらいましょう。
日付は乗車日以前に入れてもらうこともできるので、 心配性の人は前もって頼むのもいいでしょう。 ただ、旅行中止などがあると逆に面倒なので、 特に事情がなければ当日記入でいいでしょう。
青春18きっぷは普通列車専用の乗車券です。
普通列車の普通車自由席には、青春18きっぷだけで乗ることができます。
普通列車の中にも、乗車券のほかに料金が必要なものがありますが、
そうした列車・施設のうち、
以下のものは料金を別に支払えば青春18きっぷで利用可能です。
いっぽう、普通列車専用なので急行列車(特急も含む)には乗れません。 また、普通列車でもグリーン車の指定席や寝台車には乗れません。 ここでいう「乗れません」の意味は、 「急行券やグリーン券などを買っても乗れない」ということです。 もちろん、さらに乗車券を追加して買えば乗れますが、 乗車券まで買うなら、別に青春18きっぷを持っていなくても同じことです。
運賃や料金を考えるうえでの「普通列車」とは、 急行券(特急券)のいらない列車のことです。 いわゆる各駅停車のほかに、快速、新快速、特別快速なども普通列車に含まれます。 各駅停車以外に乗れないというわけではないのでご安心を。
青函トンネルを含む区間(蟹田・木古内間)、 および石勝線の一部区間(新夕張・新得間)は、 青春18きっぷで特急列車の自由席に乗れます(特急券も不要です)。 これらの区間には普通列車が1本も走っていないためで、例外中の例外といえます。
青春18きっぷは5回分がセットになっていますが、 1回分ずつ切り離せるわけではなく、 5回分が1枚のきっぷにまとまっています。券はあくまで1枚です。
このような形態なので、1枚のきっぷを2人以上で使うときには要注意です。
たとえば3人で旅行するときには、
1枚の青春18きっぷの3回分を同時に使うことができます。
が、きっぷの実体が1枚しかないので、
その3人は同一の行動をとる必要があります。
3人の家が離れていて、どこかの駅で待ち合わせるようなときには、
家の最寄り駅から待ち合わせ場所までの間は、
きっぷの現物を持っている人しか青春18きっぷを利用できません。
グループに新たなメンバーを加えたり、だれかと別れたりするときには、 原則として全員がいったん改札を出る必要があります。
1回ずつ切り離せないので「ばら売り」はそれなりに困難です。 しかし実際には1シーズンに5回分も使わないという人が多いでしょう。 現状、この問題を解決する主な方法は、原始的ですが「人脈」です。
きっぷが余ったときは、まず友人、知人から買い手を探してみましょう。
「1日1000円で買わない?」などと、
ある程度「値引き」すれば買い手がつく場合も多いでしょう。
ただ、自分がきっぷを使う期間には相手がきっぷを使えないので、
「何回分をいつ、だれに譲るか」という計画は早めに立てておくのが賢明です。
また、インターネット上で余ったきっぷを売り買いしているサイトもいくつかあるようです。
興味があれば自己責任で利用してみるのもいいでしょう。
どうしても買い手がつかなければ、損を覚悟で近場の移動に使うという手があります。
たとえば、私鉄沿線に住んでいる人が休日に都心に出かけ、
渋谷〜新宿を往復するためだけに青春18きっぷ1日分を使う、といった用法です。
ふつうに乗車券を買うと往復300円で、
1日あたり2300円の青春18きっぷをこのためだけに使うのは損ですが、
それでも使わずに捨てるよりは得です。
それでもダメなら、いさぎよくあきらめるのも1つの手です。
1回分、2回分を使わずに捨てたとしても、トータルで元が取れている、
ということはよくあるものです。
何回分か残ったきっぷを他人に譲渡することは不正ではありません。 ただし「午前は自分、午後は他人」というふうに、 1日分を2人以上で使うのはダメです。電車やバスの回数券と同じと考えてください。
最後によくある質問ですが、利用者に年齢制限はありません。 JRの話では、利用できるのは「心が青春してる人」だそうです。:-)