JR東海ツアーズの旅行商品
(ぷらっとこだま・1day プラン)

[Summary] こんな商品です


「ぷらっとこだま」「1day プラン」とは?

 このページで紹介する 「ぷらっとこだま エコノミープラン」と「日帰り 1day プラン」は、 東海道新幹線を格安で利用できる旅行商品です。
 主な特長は以下のとおりです。

 在来線やバスを使うほどの体力・時間はないが、 所要時間や時間帯などに多少なら妥協できる、といった人におすすめです。
 詳細は、この旅行を企画・実施するジェイアール東海ツアーズの Web ページを参照してください。

実はパックツアー

 厳密には、「ぷらっとこだま」はジェイアール東海ツアーズの募集型企画旅行、 いわゆるパックツアーです。
 ただし添乗員はつきません。申し込むときっぷを渡されておしまいで、 あとは当日、駅へ行ってふつうに列車に乗ります。 この点では割引きっぷと大差はありません。

首都圏・関西以外でも

 このページでは首都圏と関西の間について主に説明しますが、 たとえば「東京→浜松」「名古屋から東京日帰り往復」など、 これ以外の地域間でも利用できる場合があります。


両プランの詳細

主な特徴の比較

 まず、2つのプランの主な特徴を比較してみます。 もっとも、日帰りで済む人は滞在時間の点から「ぷらっとこだま」は厳しく、 日帰りで済まない人は「1day プラン」を使えないので、 両者の間で迷う人はいないと思います。

「ぷらっとこだま」「1day プラン」の比較
ぷらっとこだま エコノミープラン 日帰り 1day プラン
行程 片道 日帰り往復
利用列車 定期〔こだま〕
早朝・深夜除く全列車
早朝・深夜の〔のぞみ〕〔ひかり〕
(東京発の京都・奈良往復のみ、
帰りは任意の新幹線を利用可)
発着地と価格 「東京・品川・新横浜」発
「京都・新大阪」着
(逆方向も可)
東京〜新大阪(片道)10000円
東京〜京都(片道)9800円
新横浜〜新大阪(片道)9900円
新横浜〜京都(片道)9600円
(品川発着は東京発着と同額)
東京・品川・新横浜発:
「米原〜京都」往復 (*) 18000円
「京都」往復 19800円
「大阪市内」往復 19900円
「奈良」往復 20800円
(新横浜発は各1000円引き、
ただし(*)のみ300円引き)
京都・新大阪発:
「品川・東京」往復 20800円
「新横浜」往復 19500円
(京都発は各1000円引き)
利用制限日 なし
ただし、ピーク時は1000円強割増
月・金曜など(発着地により異なる)
繁忙期も同額
予約期限 出発前日 関東発:出発前日
関西発:出発3日前
申し込み人数 1人からOK 1人からOK
ただし、関東発大阪往復のみ2人から
グリーン車 片道+1500円で利用可 往復+2400円で利用可
(片道のみの利用は不可)
(関東発は設定なし)
おまけ ドリンク券(1枚/片道) セレクトクーポン
(昼食などに引換可、約3000円相当)
(*)には在来線フリーパスもつく
(*)についての補足:
往路は米原までしか新幹線を利用できない。
特典のフリーパスを使えば追加料金なしで米原・京都間の在来線に乗り放題。
復路の新幹線乗車駅は京都・米原を予約時に選択可。

発売箇所

 発売箇所は、JR東海の系列旅行会社であるジェイアール東海ツアーズの各支店、 それに発着地付近の JTB グループ各支店です(1day プランについては、JTB グループで扱っているかどうか、SWA は確認していません)。
 募集型企画旅行であるため、発売箇所は上記の旅行会社に限られています。 みどりの窓口では買えないほか、上記以外の旅行会社でも買えません。


活用のためのヒント

「大阪日帰り一人旅」には工夫が必要

 関東から 1day プランで大阪へ往復する場合、 同行者がいないとちょっとした工夫が必要です。というのは、1day プランは、関東発の大阪往復だけ「お一人様不可」となっているからです。
 解決策としては、一人から利用できる「京都往復」のプランを申し込み、 京都・大阪間の運賃を別に払うことが挙げられます。 京都・大阪間は在来線で片道540円なので、 東京発の場合、19800+540×2=20880円で大阪を往復できます。 「1day プラン」の大阪往復は19900円なので1000円近く高くつきますが、 それでも十分安いといえるでしょう。 なお、京都・大阪間は在来線でも30分程度で着くので、 新幹線との差は10分程度です。
 「関東から京都往復」のプランは帰りの新幹線を自由に選べるので、 「行きは早朝でもいいけど、帰りが深夜である必要はない」という人にとっても、 この方法は好都合です。

ぷらっとこだまでも日帰りは可能だが…

 片道タイプの「ぷらっとこだま」を往復組み合わせれば、 一人旅でも10000×2=20000円で大阪を往復することができます。
 ただしこの場合、滞在時間がかなり短くなります。 「ぷらっとこだま」では早朝・深夜の一部〔こだま〕を利用できないためで、 一番早く着こうとしても新大阪着が11時53分となり、 一方の帰りは最終が新大阪発18時50分。 滞在時間は7時間ほどしか確保できず、さすがに短い気がします。

京都日帰りをさらに安くする

 東京から京都へ日帰りする場合、素直に京都往復の「1day プラン」を申し込むと19800円です。 が、多少の不便をがまんすれば、18000円で往復することも可能です。
 上のほうにある比較表を見た人は気付いたと思いますが、 東京から「米原〜京都往復」という 1day プランがあり、これの価格が18000円です。 「往復とも〔ひかり〕限定」「行きは新幹線に米原までしか乗れない」 という制限がありますが、 米原・京都間(+琵琶湖周辺の区間)が乗り放題のフリーパスがついてくるので、 行きの米原→京都を在来線にすれば、追加料金なしで京都まではたどり着けます。
 米原・京都間は70km弱の距離がありますが、 以下のように乗り継げば、京都まで新幹線で行くのと意外に差がつきません。

  東京    米原    京都    大阪
  6:23  8:49着 (9:14)       ひかり401号(指定列車)
        8:50  9:43  10:13  新快速
        9:00  10:07  10:49  普通(高槻から快速)
        9:21  10:13  10:43  新快速

  7:33  9:49着(10:14)       ひかり403号(指定列車)
        9:51  10:43  11:13  新快速
        10:22  11:13  11:43  新快速

 米原で在来線へ1分で乗り継ぐのはさすがに難しいのですが、 2分で乗り継ぐのは、まったく不可能というわけではないと思われます。 もし、至近の列車に乗り遅れると京都着が約30分遅れますが、 それでも東京・京都間の所要時間は〔こだま〕並みで、 10時ないし11時に京都に着きます。 帰りの列車は京都発19時29分または20時38分なので、 これでも足りる用事はいくらでもあるでしょう。
 このような工夫で、格安の商品をさらに1800円安く利用できます。

大阪往復にも応用できるが

 「東京から米原〜京都往復」のプランで、 さらに大阪まで足を伸ばすことももちろん可能ですが、 価格の面で魅力が若干薄れます。
 たとえば東京6時23分発として、 米原での乗り継ぎが1分で済まなかったとすると大阪着は10時43分。 帰りは大阪を20時00分に出れば何とか京都から指定列車に乗れるので、 滞在時間は9時間強を確保できます。 ただ、素直に大阪往復のプランを利用すると、 品川始発の〔のぞみ99号〕利用で新大阪着は8時19分まで早められ、 帰りも新大阪21時20分まで粘れます。
 価格のほうは、京都・大阪の往復が別途必要なので、18000+540×2=19080円。 大阪往復のプランが19900円なので若干安くはなりますが、 この差額が苦労と制約に見合うかは微妙なところです。「一人旅なので、 目的地が大阪だが京都往復のプランを利用しようと思っていた」という人にはいいかもしれません。

グリーン車が相対的に割安

 「ぷらっとこだま」「1day プラン」とも、 グリーン車利用時の旅行代金が相対的に割安で、おすすめです。 両者とも、片道1000円強の追加でグリーン車を利用できます
 以前、「ぷらっとこだま」のグリーン車利用時の旅行代金は 「普通車の通常運賃・料金とほぼ同額」程度で、それほど割安感がありませんでした。 しかし、利用率が低かったせいか、首都圏から名古屋・京阪神の間に限り 「スーパーぷらっとこだまグリーン車エコノミープラン」と銘打ち、 実質値下げが行われています。
 なお、関東発 1day プランではグリーン車利用というオプションがなくなったようです。 少なくともパンフレットには載っていません。

50歳以上ならさらに安い?

 「1day プラン」は相当安いのですが、JR東海の会員制組織「50+」に入会すると、 さらに割安な商品を利用できる可能性があります。
 名前のとおり50歳以上でないと入会できず、 入会しないと「会員限定ツアー」の情報がなかなか入手できないのですが、 以前には16800円ぐらいで京都日帰り往復というツアーがあったように記憶しています。 会員の同伴者は50歳未満でもいいので、家族旅行なら、 家族が一人入会していればいいことになります。
 入会金、年会費などは無料なので、個人情報を極力守りたい人以外、 入会して損はないと思います。

座席の希望と予約時期の関係

 2005年夏現在、 「ぷらっとこだま」の配席方法は以下のようになっているようです(あくまで、 断片的な情報から SWA が推測したものです;「1day プラン」も同様と思われます)。

 以上のような事情により、1カ月以上前に予約すると、 「窓側」「通路側」といった席の希望はできないようです(ただし、 禁煙と喫煙は別枠で管理しているため希望が聞き入れられます)。 それどころか、たとえば3人で申し込んでも、「1人が3番E席、 あとの2人が4番AB席」のように、席が離れてしまうこともあり得ます。 また、1カ月以上前に予約しても、 「きっぷ」の受け渡しは座席が確定する1カ月前以降ということになり、 店頭で予約・購入する人にとっては二度手間になります。
 一方、1カ月前を過ぎれば、予約すると即座に座席が決まるので、 少なくともJR東海ツアーズの店頭では座席の希望ができます(JTB でも、最近は窓側・通路側の指定ができるような話を聞いていますが、SWA が直接確認したわけではありません)。 そして、店頭ならその場でチケットを受け取れます。 しかし、1カ月前の時点ではすでに満席ということもあり得ます。


利用時にはここに注意

 「ぷらっとこだま」「1day プラン」は、「きっぷ」ではなく「旅行商品」です。 そのため、割引きっぷにはないいくつかの制約・デメリットがあります。

入口、出口まで限定

 乗降時にはJR東海の新幹線改札口以外は利用できません。 在来線と乗り継ぐ場合も、いったん改札を出て、 あらためて指定された新幹線専用改札を利用することになります。
 また、発駅、着駅は、一部プランを除き「1駅だけ」で、 「東京都区内発」「大阪市内着」のようになっていません。 たとえば「東京→新大阪」というプランだと、 行けるのは新大阪までで、大阪まで乗ることはできません。 新大阪でいったん改札を出て大阪までの乗車券を買い、 あらためて入場する必要があります。
 さらに、途中駅での乗降は一切できません。 途中下車ができないというだけではなく、 一部区間の放棄(予定より手前の駅で降りること)もできません。

備えあればうれしいな

 原則は「在来線と乗継不可」ですが、あらかじめ在来線の乗車券を持っていれば、 新幹線と在来線の乗換改札を利用できます。 たとえば「東京→新大阪」というプランを利用する場合、 「新大阪→大阪」という乗車券を事前に買っておくと、 新大阪で改札を出ずに大阪まで行けます。

変更・払い戻し

 ふつうの乗車券・特急券であれば、 旅行開始前に1回だけ変更ができます(乗車日の変更、区間の変更、列車の変更など)。 手数料はかかりません。
 一方の「ぷらっとこだま」「1day プラン」では、乗車日、区間、 列車など一切の変更はできません。 どうしても変更したければ一旦払い戻して再度購入することになります。

 払い戻しについては、 ふつうの乗車券・特急券と「ぷらっとこだま」「1day プラン」のどちらが有利か、一概には言い切れませんが、 直前の予定変更に関しては「ぷらっとこだま」「1day プラン」は不利です
 具体的な手数料は以下のようになっています。

払い戻し時の手数料の比較
払い戻す時機 ぷらっとこだま
or
1day プラン
普通乗車券+特急券
手数料 参考金額 手数料 参考金額
乗車11日前以前 無料 0円 乗車券210円
特急券320円
530円
乗車8〜10日前 20% 2000円
乗車2〜7日前 30% 3000円
乗車前日 40% 4000円 乗車券210円
特急券30%
1780円
乗車当日で発車前 50% 5000円

表の見方

 特急券の手数料は普通車指定席の場合で、 参考金額は東京・新大阪間の大人片道(通常期)における手数料です。
 「1day プラン」の場合は、 手数料の率が同じで旅行代金がおおむね2倍(片道×2)なので、 手数料はほぼ倍と考えてください。

乗り遅れ

 ふつうの乗車券・特急券の場合、指定した列車に乗り遅れた場合、 当日中なら後続列車の自由席を利用できることになっています。
 いっぽう、「ぷらっとこだま」「1day プラン」では、 指定した列車に乗り遅れたら「旅行する権利」は全く無効です。 後続列車への案内も払い戻しもないので、 新たにきっぷを買い直して旅行を続けることになり、大損です。 バスツアーで、 集合時刻になっても出発地に現れなかった人が置いてきぼりを食らったのと同じことと考えてください。

JRが遅れた場合の対応

 「ぷらっとこだま」では、接続するJR線の遅れにより乗り遅れた場合に限り、 遅延証明書があれば後日払い戻しが可能なようです。一方、「1day プラン」のパンフレットにはこのような記載はありません。


まとめ

 以上のように、「ぷらっとこだま」「1day プラン」には細かい制限が多く、 やや使いにくい面もあるものの、条件さえ合えば十分に実用的です。 注意点をよく理解したうえで活用してください。



(c) SWA / KASAI TakayaSWA へメールを送る
最終更新: 2008年 7月13日
簡易包装にご協力ください。